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健康で豊かな生活を送るためにSDGsの目標3を達成しよう

福田
2021/06/17

恒例となってきたSDGs目標に対する事例紹介記事ですが、前回の「目標2に向けた世界中から食べ物に困る人を救っていくためには?SDGsの目標2達成に向けた取り組み」ではフードロスに関する話をしました。
前回の記事:https://sinlab.future-tech-association.org/column/fukuda/sdgs-2/

今回は個人的に一番気になっている目標3の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。健康と福祉というのは社会性使を送る上で根本となるところであり、これがないと安心して毎日を過ごすことが出来ません。特に日本のような高齢者が多い国では、実際の寿命と健康寿命の差も問題となってきます。

健康の定義

1947年に採択されたWHO憲章では、前文において「健康」を次のように定義しています。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」
日本WHO協会:https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/

ここで、誤解がある人もいるかもしれませんが、健康ということが病気にかかっていないということだけではないということです。精神的にも社会的にも満たされた状態であるということなのです。

これは解決が難しい課題ですが、世界中のみんなが協力して解決に向けて進んでいかないといけないのです。心身共や社会的に満たされた人で溢れかえる世の中を作っていくことが最終目標です。

次に世界の現状を考えてみましょう。

 

深刻な医療の不平等

日本にいるとあまり実感がないでしょうが、基礎的な医療保険サービスを受けられない人は世界人口の半分程度と言われています。その理由としては貧困の格差が大きいと思っていますが、3つの要因があると言われています。
(独立行政法人国際協力機構:https://www.jica.go.jp/aboutoda/sdgs/UHC.html)

・物理的アクセス:近所に医療施設がなく、医薬品や医師・看護師がいない
・経済的アクセス:医療費を高く、支払えない
・社会慣習的アクセス:サービスの重要性を知らない、言葉が通じない、賄賂を請求される。

物理的アクセスや経済的アクセスはちょっと考えれば、イメージはつきやすいと思います。ただ、社会慣習的アクセスも無視できません。予防接種が必要だと知らない、感染症予防に対する知識不足などで病気になる人も相当数いるもの事実です。

その結果、世界中には大人になることが出来ない子供たちがたくさんいます。詳しくは世界子供白書に具体的なデータを元にしっかりとまとめられています。
世界子供白書:https://www.unicef.or.jp/sowc/

高齢化社会にも健康が必要

世界中の医療問題は深刻であるが、ここでは日本国内の話に絞っていきます。特に高齢化社会を迎えた日本での課題解決に向けた取り組みをしている団体を紹介します。高齢者はいくつになっても、健康で社会的にも満たさせることが求められる世の中になっています。

  • 厚生労働省のフレイル予防

ここにきて厚生労働省がフレイル予防を前面に押し出してきました。国の医療費負担削減という意味合いもあるとは思いますが、すごく大切なことです。健康寿命を延ばすためには、「食事」、「運動」、「社会参加」を全て回していくことが大切です。

病気になったら治療してくれる医療制度を作るのではなく、自分自身が健康でいられるように意識するのは大切ですよね。

高齢者の特性を踏まえた保険事業ガイドライン:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000205007.pdf

そんな中で公益財団法人長寿科学振興財団では多くの挑戦的な取り組みをしています。特に大規模高齢者フレイル予防研究『柏スタディー』では柏市を舞台とした大規模かつ長期的なフレイル研究が行われています。どうやったら人は健康でいられるのかを定量的にデータを取れる取り組みが気になります。
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/chokoureishakai/chokoureishakai-frailtyyobou.html

  • 日清医療食品株式会社

いつまでも脂っこい食事や調味料に溢れる食事を続けていくと健康に良くないことは誰もがなんとなく理解していると思います。そういった中で健康でいられる食事は必要です。

さらに、高齢になると咀嚼力が落ちてくるので、高齢者施設などで食べやすい食事を提供しています。
https://www.nifs.co.jp/csr/csr_management/sdgs/sdgs_3/

  • パナソニック株式会社

最近はスマートタウンの中で住民が健康でいられるような取り組みが多くなってきています。例えば、下記は大阪府吹田市の事例ですが、国立健康・栄養研究所も連携した健康アドバイス、商業施設連携による食材提供サービス、行動変容を起こすイベント開催など多くの取り組みをしています。

新しい街で住みながら健康でいられる生活も近未来的で楽しくて続けられそうです。
https://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-kenkoiryo/kenko/seibijigyou/Suita_SST.html

今回はSDGsの目標3に対する取り組み事例を紹介しました。今回はスペースの都合で一部だけになりますが、考えを深める一つの契機になればと思います。自分自身で意識しながら、健康でいられるようにしていきましょう。

この記事を書いた人
福田
エディター