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デザイナーから学校教育への提言(小学校編)

KURO
2021/06/06
学校教育への提言(小学校)

僕は教育の専門家ではありませんが、あくまでもデザイナーとして、シンラボで教育関係の案件設けたりしました。シンラボには、箕輪さんというオンライン学習アプリ「スタディメーター」を運営されてる方がいらっしゃって、ちょうど1年前には、地理の教科書作りとか一緒にやっていたりしていました。
学校教育が、今後の人生経験にどれくらい役に立つか。今の小学生の未来は、終身雇用の時代も終焉を迎え、副業は当たり前になり、個人がさまざまなコミュニティを掛け持ちして稼ぎ、より国際競争は激しくなり、AIが人類の仕事を代替する時代です。最近は特に、オンライン化もあって学校教育の見直しにも注目が集まっていますね。
これからの学校教育はどうあるべきか。デザイン的な観点から、再考していきたいと思います。

何のための小学校か?

学校教育への提言(小学校)

何事も始めるには、目的が大事です。目指すべきゴールは、どこにあるのか。
小学校でよく言われる「目標」とは、感受性とか頑張るとかを設定している場合が多いですが、これらは「どこに辿りつきたいか」が不明確であり、人によって認識が変わってしまいます。ならば、シンプルに明確な、例えば「社会で生きていけるための最低限の知識・スキルを身につける」というような目標や方針を打ち出した方が、良いのではないでしょうか。特に小学校の場合、中学受験対策はそこまで行っていなかったりするので、受験の観点も不要なので、KPI(点数)が設定にくいものでも問題なさそうです。
とすると、ターゲットは「社会で生き抜く術を知らない子供」であり、そのためのコンテンツとして「知識」を享受するわけです。

ユーザー(小学生)のニーズを満たすコンテンツ

どのようなコンテンツ(教科)があればユーザー(小学生)のニーズを満たせるでしょうか。社会を生き抜くために身につける力としては、大きく5つあると考えます。

  • コミュニケーション能力
  • 論理的思考力
  • 社会システムの理解
  • 自己形成
  • 健康管理

1:コミュニケーション能力

全ての物事にコミュニケーションは介在するので、最重要教科だと思います。現在の国語に近いものではありますが、他人と齟齬なくコミュニケーションをとるという、社会人でもなかなかできている人が少ないスキルを目的として教育することに意義があります。
読み書きはもちろんですが、ニュースが読めるくらいのレベルまでくれば充分。むしろ、他者とどう会話するか、もっと言うなら人間関係のところまでが大事です。
コミュニケーションはさまざまな問題を解決する一方で、さまざまな問題を生み出す、生きていく上で避けられない代物です。そのためにも、読み書き以外のコミュニケーションをしっかり教えてあげたらいいのではないでしょうか。

2:論理的思考力

算数と理科に近いですが、もっとずっと広いです。世の中で法則を発見し、それをもとに思考し、得られた結果から法則が正しいか検証する。
最近はプログラミング教育もありますが、まさにこれですし、マーケティング分野も同様です。優秀な研究者、エンジニア、マーケターを輩出するためには、細かい計算方法を教えるのも大事ですが、法則を見つけ出していく、その考え方が必要です。

学校教育への提言(小学校)

3:社会システムの理解

社会や生活の教科があります。しかし、これらの強化ではあまり触れられていない、例えば税、公的手続き、刑法、お金の稼ぎ方などは、後から自分で調べなくてはなりません。ある程度調べる力がある方なら良いのですが、ここくらいは自己責任の範疇に収めず、義務教育で行っていた方が良いのではないかと。
歴史はいわずもがな、今後も勉強することは大事です。地理は大事なのは2つで、資源と、それに対するリスクです。前者は、国内外の森林、エネルギー、食物など。後者は、防災対策や気候変動などが中心に来るのではないでしょうか。
あと、これからの時代は、軍事に対しても教育が必要だと思います。軍事のことを知ってないと、これからの時代を背負えないですからね。軍事的リスク、例えば北朝鮮のミサイルの迎撃は難しいことくらいは、今のイスラエルの状況とかを見れば、間違いなく知っておくべきでしょう。

4:自己形成

自分が何が好きで、この先何を目指すのか。道徳、音楽、図画工作をさらに進化させていくと、ここにたどり着くと思います。よく社会人でも、自分はやりたいことがないという方がいますが、それは好きなことで成功体験が無いからです。当然、学校授業だけでプロを目指すのは無理ですが、こういうことならずっとやりたい、と思えるきっかけを与えることができれば充分だと思います。
大人たちがいろんな種類のコースを用意して、自由に選んで取り組み、やりたいことを見つける。そのためには、学校の先生以外の世の中で活躍している人を誘致してみたり、Youtuberみたいに他者から攻撃されやすい環境から守ってあげることも大事です。また、いかに楽しいことであっても、成功体験を積むにはやらなければならないことがあって、それを教えてあげるのも大事な要素ですね。その中を行ったり来たりしながら、自分の将来像を考えられたら、その先の人生はより生きやすくなるのではないでしょうか。

学校教育への提言(小学校)

5:健康管理

運動も大事ですが、体の仕組み、食事や健康食品の知識を通して、健康管理できるのは大事です。現在、感染症が蔓延してから、軽い熱であっても世間の反応が敏感になってきました。より一層、健康管理が求められる時代になってきたのです。そのためには、まずは知識が必要で、次にそれを実践し、身につけることです。もちろん、水飲まさずに運動させるなんて、間違った知識の元になるやり方は論外です。

またこれからは、さらに優れたスマートデバイスで健康管理アプリがさらに充実するでしょうから、最先端技術のサポートを取り入れたら良いでしょう。

 

学校教育でかける時間は最低限にすべき

学校に来る目的は、人によってバラバラで当たり前です。

小学生にとっては「よく分からないけど行ってみる」でしょうが、親御さんだと強い意向があったりしますよね。例えば、「より受験対策に力を入れて欲しい」というのもあれば、「義務教育だから仕方なく」「家では教育できない」など、いろいろ事情はあると思います。

だからこそ、必要な知識を集約して、できるだけ短い時間で教育し、それ以外の時間を個々の事情に合った取り組みをするのが、大事だと思います。そうすれば、先生方も余裕が増え、さらに新しい工夫が生まれるかもしれません。

参考ページ:EDUPEDIA
https://edupedia-for-student.jp/article/59125e863614bd000060a557

この記事を書いた人
KURO
エディター