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ハンディキャップを持った王子様の物語ーアニメ「王様ランキング」第一話レビュー

KURO
2021/10/18

2021年10月から放映されたアニメ「王様ランキング」の1話をみました。こんなに心温まる作品に心暖まる作品は久々だったので、第一話だけで、作品の魅力について、存分に語り尽くして行きます。

冒頭

冒頭で王子である主人公が、母親の膝下で泣くシーン。このスケールの対比がアニメ独特の表現で面白くて、身長が母親の指先サイズなんですよね。進撃の巨人並みのスケールさなのですが、それが幻想的に表現されていて、ファンタジーの世界、絵本の読みきかせを聞いているような感覚になります。

もうOPからヤバい!

まさか、OP曲がKing Gnuとは!
BOYという曲は、本作品にぴったりの心温まる曲ですね。

それで、OPのカメラワークが面白い。最初は主人公の足、頭上左、頭上右、と展開されてるんですね。見た目がアイコニックで、王冠と剣を持ってるから王子と分かります。

映像の一貫性がすごいですね。ただただ歩く。よくある、象徴的な変わった動きがないんです。戦闘とか、ポーズ決めるとか、作品を通して極めていくこととか。これらによって、作品の中身を分かりやすく伝わるんですが、このアニメはただただ歩く。それで時折、象徴的なカットを入れるんですね。

この一貫性と、歩くという最もシンプルなことをシンボルにしたことで、下手をすれば存在自体が薄れてしまうリスクはある一方で、非常に美しくまとまった映像になっています。




裸の王子


第一話のタイトルが、裸の王様ならぬ、裸の王子です。
冒頭で、下半身以外は裸の主人公が、民衆に笑われながら、ニコニコして街を歩いています。その理由は、カゲという化け物に、カツアゲされてしまったからでした。

主人公が街から離れた場所に一人でいると、カゲが現れます。何者かと聞かれ、返すことができません。すると、カゲが剣を向け、金を出せと言いますが、それも返すことができません。

ここで、主人公が耳が聞こえず、言葉が話せないことが分かります。しかし、主人公はカゲの口の動きから話していることが分かり、しかもなぜか、カゲも主人公の言うことが分かり、会話が成立してしまうのです。

自分と会話ができる相手が見つかったからか、身なりがいい服は売れるからと要求したカゲに対して、主人公は喜んで服を差し出します。

バカでダメな王子

民衆は、そんな主人公ーボッジを見て笑います。
ニコニコしているし、耳も聞こえない、口も聞けない、王子なのに子供用の剣も振れない。
しかも、これが第一王子ということで民衆は落胆し、軽蔑しているのです。

しかも、カゲという新しい話し相手が出来たことに喜び、仲良くなろうと、ボッジは何度も服を着ては、カゲに渡します。

世界一立派な王になる

そんなボッジにも、夢がありました。世界一立派な王になること。
でも現実は相変わらず、民衆からはバカにされ、軽蔑される日々。

そんなとき、第二王子のダイダがソードマスターに剣の試合をしたところ、ソードマスターに実力が認められました。
ここで、ボッジはダイダに剣の試合を申し込みます。

頑張ってるけど、なかなか認められない人へ

ハンディキャップに負けず、話している口の動きだけで言葉がわかるのは、かなり努力家であると分かります。
ただ、誤解を受けたり、理不尽な目に遭ったり、自分の至らぬ部分があったりして、あと一歩認められないことはあるものです。

本作品は、そのような中でも努力する人のエールになると思います。

この記事を書いた人
KURO
エディター