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50年後も勝ち続けるAI時代の新戦略(2)【ダブルハーベストループ】

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シンラボ
2021/06/13

先日掲載した記事では、「50年後も勝ち続けるAI時代の新戦略」と題して、ダブルハーベストループについてご紹介しました。
今回は、自作で恐縮ですが身近な事例をもとにしたループを掲載し、今後事業やサービスを提供していく上で意識していければと思うことについて、抜粋してお伝えします。

”勝ち続ける”ためにはループにするべき理由

前述の記事でもAIがコモディティ化していることについてはお伝えしましたね。
つまり、本書の言葉を借りれば、AIは技術面ではなく戦略面として捉えられるようになっているということです。
そうした時に、いろんな人がAIを使って何かできないか、さまざまな戦略を考えるでしょう。
「1回収穫して終わり」では、他社で同じ事業展開を行われると、その事業自体がコモディティ化してしまいます。

その中で他社サービスと差別化して継続的に勝ち続けるための戦略が、「ダブルハーベスト」です。

身近な事例からループの構造を考えてみた

本書では、世の中の企業がどのような戦略で自社のループを起こしているか、具体的な事例を通してご紹介されています。
各社、独自のスケールメリットを活かして相乗効果を生み出していて、世の中を見る目が変わりました。自分でも身の回りにそうした戦略が見られないか、せっかくなので考えてみたので紹介します。

こちらはGoogle Mapについて、サービス紹介(https://www.google.co.jp/intl/ja/maps/about/#!/)も改めて拝見して書いてみました。
図1ではまず2つのループを書き加えていて、「地図を作る」という社会的な意義についても考えられたり、まだまだ序の口かもしれませんね。

図1:Google Mapに見るハーベストループの一例(筆者作成)

今後の事業構造の変化

本書を通じて、今後継続して発展していくためには、根本から事業に対する戦略の見直しが迫られていると感じました。そうした理由から、どういうステップで取り組んでいけば良いのか、流れも含めて紹介されていたので大変勉強になりました。

前提として特に気になった点を3点紹介します。

  • まずは1回目の勝利を目指す
  • ダブルハーベストループを目指す場合でも、まず1回目です。
    価格競争や、小型化による市場拡大、パーソナライズなど戦略を用いて事業を行っていきます。そこから1回「勝つ」だけでなく、「勝ち続ける」戦略を立てていきましょう!

  • 長期目標の方が予測しやすい!?
  • どうやってループを構築していくか、とても興味深かったのは、長期的な戦略を立てること、また、長期的な戦略は短期的な戦略よりも予測しやすいということです。
    例えば、1年後に自動運転車が街中を走っているかと言われると予測しにくいが、100年後には自動運転車が走っていてもおかしくないのではないでしょうか。

  • ”狩る”から”育てる”へのシフト
  • AI、ビッグデータという言葉が流行っていた時代、データを持っていることが勝者になる条件、競争力という考えが主流でしたが、それらは幻想に過ぎないことが露見してきました。
    1つは大量なデータがAIにとって良いかわからないこと、そして、過去の傾向を読み取れても未来は予測できないからです。

ビッグデータ時代にもてはやされた「ストック型のデータ」ではなく、AI時代に使い勝手が良いのは「フロー型のデータ」であり、データがリアルタイムで入ってくる体制を築くことが鍵だと言います。
必要なデータを自ら育て、収穫する、そのサイクルこそが「ハーベストループ」です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
これらは、AIに限らず、5G、IoT、VRなど今まさに注目されている様々な技術も同様の可能性を秘めているといいます。
特定の技術に関して、ニュースやインターネットで取り上げられる頻度や話題性を見ると、役に立たないだの、一過性のものだったのかなどと思われる方もいるかもしれませんが、人は当たり前になったものは大して取り上げません。
良い意味で捉えれば、こうした技術が、技術者でなくても扱えるようになったとも言えます。

本記事を書きながら、ファストファッションなどに通じるところがあると思ったのですが、まだあなたや世の中の人が新鮮味を感じているうちがチャンスです!
ぜひコモディティ化する前に多重のハーベストループを作って、勝ち続ける仕組みを作りましょう。そうした動きは、自社のサービス向上だけでなく、社会においてその技術・革新をより多くの人が享受できる入り口となることでしょう。

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