SDGsボードゲーム制作秘話・第4弾 ボード―ゲームと共に成長してきたファシリテータ
みなさん、こんにちは。
シンラボ広報部の福田です。
ボードゲーム制作秘話・第4弾は、「第3弾のSDGsボードゲームのブラッシュアップを繰り返して現在の形に変遷」に続いて、【北畑 勝也(きたはた かつや)】さんのzoomインタビューです。
北畑さんは、ボードゲームのワークショップでご自身がファシリテーター第一人者として活躍すると共に、新たなファシリテーターの育成の道を築いてこられました。
今回もインタビュアーは児玉さん、ライターは福田という体制でワークショップの話を伺わせてください。
ー初めてワークショップでファシリテーターをやったときの感想は?
初めてワークショップのファシリテーターをしたときは、ものすごく緊張したのは今でも鮮明に覚えています。ただ、回数を重ねるに従って徐々に慣れていき、今では堂々と余裕を持って参加者をファシリテートできるように成長しました。
最初のころは、知識が足りなくて参加者からの質問に答えられないことも正直ありました。徐々に勉強していき、なるべくどんな質問でも答えられるように改善していきました。
後は、ファシリテーター教育という面で、いつでも誰でも質疑応答の内容を確認できるように、スプレッドシートでまとめて整理したり、誰でもファシリテートできるようにスライド作成もこだわりました。
ーワークショップでの失敗談は?
些細なことかもしれないですが、初回のワークショップの時に説明用の動画を使っていたのですが、当日になってまさかの音声が流れないというトラブルが発生しました(汗)。
まだ、自分のSDGsの知識が乏しく、アドリブで色々としゃべるテクニックと度胸もなかったので正直焦りました。
そのときは、動画に字幕がちょこちょこ出ていたので、それを読んだり、代表にその場で話を振らせて頂き、代理で説明して頂いてなんとか乗り切る事もありました(笑)。
ーファシリテーターをやって良かった経験は?
これまでにSDGs関連の多くのイベントに参加してきて、小さい子供や年配の方など幅広い人々の生の声を聴けたのが一番良い経験でした。
下は小学生も参加した時もあり、その時は子供用に使えそうなボードゲームのカードを選んで興味を持ってもらうようにしました。
正直なところ、子供はすごろくで遊んでいるような感じでした。我々のボードゲームでもサイコロを喜んで振っていましたし、カードをゲットできるとすごく楽しそうだったのが印象的でした。
特にレインボー色のコラボレーションカードが一番人気で、競い合うように取ろうとしていました(笑)。また、コインも楽しそうに集めていました。
ボードゲームの本来の目的でもあるSDGsに関することは、隣で付き添っている親御さんにかみ砕いて説明してもらいました。
内心、なかなか理解してもらえないかとも思っていましたが、途中で子供達だけ4人でボードゲームをしている瞬間もあり、自分たちなりに楽しんでくれたんだと実感できました。
また、小学生だけでやっているところに隣にいた中学生達が教えてあげるという微笑ましいシーンも目撃しました!
ー大学生向けへのワークショップはどうでしたか?
我々のメンバーの一人がTwitterでつながった大学生の団体とボードゲームを使ったワークショップをやりました。
当日になって実際に現地に行ってみたら、会議室だと思ったら事務所で、プロジェクターもなく、なんとかノートパソコンを手で持って10人以上の参加者に画面を見せながら説明したこともありました。
この団体は非常に前のめりで我々のボードゲームに対して強い興味を持っていただき、ワークショップ開催が実現しました。
当然、そんなメンバーたちなので、当日はすごく深い議論が飛びかっていました。ワークショップ後の振り返りの時には、我々もびっくりするような新鮮なアイデアがでてきて、我々が多くのものが得られるくらいのレベルでした。
また、ワークショップ中は私自身の年齢が比較的近かったこともあり、参加した大学生たちとフレンドリーになり、お互いにちょっかいを出し合うぐらい仲良くもなりました(笑)。
ーオンライン化したワークショップはどんな感じですか?
インタビューを実施した2020年5月19日の時点では、残念ながら昨今のコロナの影響で対面でのワークショップ開催が困難になり、これまでにオンラインのワークショップを4回開催しました。
これまでのボードゲームはカードなどがアナログな分、オンラインでは課題が多かったです。
例えば、スコアボードをスタッフがスマホで映しながら、画面共有していましたが、やっぱり手振れで画像がぶれて見にくかったです。
また、スタッフは常に動画に映っているので、常に緊張感を持ち続けていかないといけないということも気が付きました。
一方、オンライン化にはメリットもあって、常にパソコン画面で参加者全員の顔を真正面から見える点が一番大きいです。
オフラインでワークショップをやるよりも、この瞬間楽しそうとか、難しそうな顔をしているかがリアルタイムで分かるので、それに合わせてコーディネートできます。
コロナの影響もありますが、日本全国へ我々のSDGsボードゲームを普及させるためにはオンライン化は必須だと思っています。そのため、まずは体験会としてイベントをやってみて気づいたフィードバックからスコアボードやミッションカードもデジタル化して表示できるように一週間以内に改良しました。
ーファシリテーターの心構えは?
ファシリテーターには自分でリードして引っ張って行ったり、全体をうまくまとめたりと、それぞれの人によって個性があります。それはそれで問題なくて、外してはいけない大事な事を伝えることが大事で、そこがずれていなければ個人の特性に合わせてファシリテーションすればよいと思っています。
私は生まれが関西なので、笑いは外せないので、私がファシリテーターをするときは、ワークショップ全体を硬い感じにはしません。また、参加している皆がどんな意見でも発現しやすいような空気作りをして、楽しみながらSDGsを学んでいただきたいと考えています。
ただ、直接の笑いを取りに行くというよりも、その人がどういったことを楽しそうに話をするのかをちゃんと見るようにしています。そうして、目の前の人に興味を持って、しっかりコミュニケーションを取りながらファシリテートしています。
実際にボードゲームを使ったワークショップをやってみると、前のめりになりすぎる参加者が多いです。そこで、“楽しさ”と“学び”の両立をどこまでちゃんとできるかがファシリテーターの腕の見せ所です。
私はボードゲームをやっている最中は敢えて指摘をせずに、終了後の振り返りで分かってもらうようにコメントをするようにしています。それは、参加者がボードゲームでディスカッションしながらご自身で実践しながら色々な気づきを得て頂きたいからです。
ゲームでうまくいってもいかなくても、そこからの学びを大切にしています。
また、ボードゲームをやっているテーブル毎でムードメーカーや率先して作業する人が必ずいるので、そういった人にまず話かけたりして全体を引っ張って行ってもらうようにしています。
その反面、おとなしい人にも声をかけて、全員が楽しみながら議論できるようなファシリテーターを目指しています。
実際には、ボードゲームをやっているテーブル毎でスコアに注力したり、SDGsの中身をしっかりと議論したりと色々なケースがあります。
最後にケース毎にコメントして、その人に気づきを与えるのがファシリテーターの腕だと思っています。
ー次に続くファシリテーターの育成方針は?
SDGsボードゲームを使ったワークショップをさらに広めていくためには、多くのファシリテーターが必要です。そのため、具体的なファシリテーションのやり方などを新しくファシリテーターになりたい人に伝授しています。
私も本業の仕事があったので、会社が終わった後の夜な夜な遅い時間に、一緒にファシリテーションの練習をしていました。自分は体力に自信があり、スケジュールも調整できましたが、夜遅すぎると都合の悪い人もいました。それは当然ですよね。
皆さん自分のペースで生活をしているので、都合の良い時間も違います。一番は直接対面で練習できれば良かったのですが、スライドを見ながら電話で対応したりもしていました。
ある程度はトークスクリプトを作っていたので良かったですが、後はその人の強みに合わせた話し方などを自分で考えてもらうことが大事でしたね。
また、ある程度のレベルに到達したら、何回も連続でファシリテーターをやってもらうと成長は速かったです。
自分の場合でもそうでしたが、例えば、保科さんや梅垣さんなどにも3回位連続でやるように促して、回を重ねるごとに成長していったのが見られて自分のことのようにうれしかったです。
オンラインでのボードゲームが始まったばかりなので、これをうまく普及させるようにしていきたいです。そして、僕がそうだったように未来技術推進協会きっかけでファシリテーターになり、世の中に良い影響をどんどん発信していく仲間をもっと増やしていきたいですし、オンラインでできる事でもっと全国、そして世界中にファシリテーターが増えるととてもわくわくします。
これからもシンラボで色々な事にチャレンジし、成長していけるのが楽しみです。
本日はありがとうございました。
全12回の連載予定のSDGsボードゲーム制作秘話の第5弾は山田さんの「地道な努力から世界に羽ばたくSDGsボードゲーム」です。ご期待ください。
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