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シンラボが誇る伊能忠敬が地図を語る会に参加!

福田
2020/06/03

みなさん、こんにちは
シンラボ広報の福田です。

一部の方からシンラボの伊能忠敬と呼ばれている黒さんから「地図」の講演がありました。今回のテーマは「知られざる地図の秘密、地球を変える驚異のテクノロジー」です。

―黒さんは日本に珍しい地図のデザイナー

地図を使ったことはない人はいないと思いますが、正直詳しく知っている人は皆無と言って過言ではないです。私もこれまでの人生で地図のデザイナーにはめぐり合ったことはないです。

黒さんは、なんと大学一年生から地図制作に触れて、その後9年間に渡って地図を制作し続けていました。また、2017年には原宿で地図の個展も開いた経歴もある日本有数の地図デザイナーです。なんと、ビックリ!!

―地図はもっと使われるべき

地図自体は広く一般の人にも使われていますし、地理学、地学、土木工学に精通している人や位置情報に関するエンジニアは地図に多く触れています。ただ、地図の業界事業や過去の成り立ち、これからの展望を語れるの人は多くないのです。黒さんはそんな人物の一人でした。

―世界の大企業が地図業界に大きな投資

世界の大企業は地図の内製化に大量の資金を投入している。つまり、将来的に地図データを自社のコア技術として持っていくことで、今後の事業の発展に地図情報が必要だと経営判断していることの裏返しです。

・Google:2019年日本での地図を内製
・Apple:2018年に地図に内製化を発表
・Microsoft:2013年ExcelにPower Map機能
・中国では3D地図で空間をスマート管理

―地図が世界を変える未来

今後、地図情報が活用される分野は下記の通りです。この辺は概ね想定通りですが、中身はあまり分かっていないです・・・

・自動運転
・VR/AR
・航空・宇宙
・ドローン

例えば、自動運転の場合は高度な地図とカメラセンサーが必要になってきます。あまり知らない人は車載カメラさえあれば地図がなくても自動運転できるという勘違いをしている場合も多いですが、実はカメラがなくても運転できるレベルの地図が求められているそうです。いずれにしても地図は高い性能が求められているのです。

―地図業界は高い参入障壁

いつも電車に乗るときにお世話になっている「NAVITIME」は地図を作っている訳ではないです。国内だと「インクリメントP」と「ゼンリン」の2社とのことです。また、地図を作るためには、「巨額な資金」と「地図独特の制作技術」が必要になってきます。よほど覚悟を決めた経営判断をした企業でないと取り組めないですね。

―地図の作り方

一般的な地図の作り方は、

1. 航空写真の撮影(最近は衛星やドローンも)
2. 航空写真をなぞって地図制作
3. サービス会社が地図ライセンスを購入して一般ユーザーに展開

のような流れです。また、特注の飛行機で、日本中もれることなく航空写真の撮影をしないといけないので、地図データは非常に高い。航空写真だけですら日本全国でなんと億単位の費用が必要!

―地図の基本

地図は全地球上の座標で、全ての位置情報を緯度や経度で表現されます。また、地球が丸いので「方位図法」などの話があり、昔習ったのが改めて話題になってなんだか懐かしい感じでした。そして、多くの地図には20のスケールがあるそうです。普段はあまり気にしていなかったのですが、多くの場合に地図は拡大や縮小して使います。その際に、実は画像の縮小でなくて、別の地図に切り替えたりしているとこのこと。

―Google Mapのすごさ

私も頻繁に使っている「Google Map」ですが、実はすごい技術だという話がありました。確かに、他の地図アプリもたくさんあります。ただ、試しに使ってみると歩いている場所と実際の地図がずれていることも多いので、いつも「Google Map」に頼り切っています。

「Google Map」は地球を正方形にするという発想から始まったそうです。地球を全て正方形で成り立たせているので、元の大きさの地図を4分割で必ず半分に縮小できます。これを単純に繰り返すだけで世界中の地図情報を簡単に拡大・縮小できます。そうすると、スマホ程度でも十分に使える程度の容量になるのです。この発明のおかげで持ち運びができるデジタル地図が生まれたのです。

―バッファリング技術

良く使う「近くの地図を探す」という機能でこの技術は使われています。自分の行きたいお店を探したい場合には、自分の周囲をバッファリングとして適当な半径の円を描きます。自分の位置や店などの全てに位置情報が設定されているので、その円に重なる店を検索できます。また、目的地までの距離を計算するのも道路の線データの位置情報を使っています。

今日は地図の基本的な内容と地図を活かした技術の展望を聞けました。まだ話足りない感じでしたが、そこは次回以降に期待して!

この記事を書いた人
福田
エディター