50年後も勝ち続けるAI時代の新戦略【ダブルハーベストループ】
「AIって中身よくわからないし、導入するの難しそうだから、うちにはまだ早いよね。」と考えてはいませんか?実はAIってコモディティ化が進んでいて、誰でも使えて導入コストは低くなってきているのです。更に、この本のメインの部分となりますが、AIは単純な業務効率化にとどまりません。AIを育てることで勝ち続けるための価値を提供してくれるツールになり得るのです!
「AIを導入したいけど、業務効率化ならAI使わなくてもいいのでは?」「AIを導入する価値って?」という方にはぜひ読んでいただきたい本となります。
エッセンスだけ抜き出してまとめてみました。読んでみて興味がわいたらぜひ書店へ!!
目次
<ダブルハーベストループとは?>
この本のタイトルにもなっている、ダブルハーベストループとは一体何でしょうか。これは、AIを使って常に競争力を高めるループ構造を構築することです。ではなぜ、AIを使用するのかというと、AIは学習ができ、新しい情報を学ぶことで常に成長することができるため、ループ構造との親和性が非常に高いためです。「AIを使う」⇒「データが生まれる」⇒「AIを再学習」⇒「AIを使う」といった具合にループが回ることでどんどんAIの精度は上がっていきます。
本書の一例としてローギークスの例が挙げられています。
一つ目のループを回し続けることで、二つ目の別のループが生まれ、単純なRPA以上の効果をもたらしています。本書の主張として「AIを単純なRPAで終わらせてしまっては、競争力は生まれない」というものがあります。
では、どうすればよいのか?一つ目のループを作るために見切り発車でもAIを導入してしまいましょう。そうすることで、個人にカスタマイズされたデータが収集でき、自社の競争力を高めるために必要となるAIが成長していきます。
<Big dataの時代は終わった?>
AIの登場とともにBig dataが話題になっていたのは記憶に新しいところだと思います。Big data、つまりは大量のデータを持っていることが重要だという風に考えられていたということです。
本書では「Data is kingの時代は終わり、Loop is kingの時代となっている」と述べられています。Loop is kingとはダブルハーベストループの部分でもお話しした、AIが自走するループを作成することが重要だということです。ではなぜデータよりループなのか?データは必要ないのか?という疑問が生まれると思います。結論、データは必要ですが、実は、AIを使えば疑似的にデータを作成することができるのです。そのため、より重要となるのはデータではなくループを回す戦略の方となるのです。
少しのデータがあれば、AI自身でデータを増やしAIの構築を進めることができるため、見切り発車はデータがないし無理じゃないかなと思われた方も心配ご無用です。
また、自社だけですべてを完結させる必要はありません。本書でも度々、「AIのモデル作成等の部分については外注すればよい」といった内容のコメントをされています。構築の部分はさっさとプロに任せて導入を早くし、自分たちはAIによって利益を得ることができるループの構築に注力するのが良いと思われます。
<まとめ>
今回ダブルハーベストループを読んで概要をまとめてきました。私がピックアップしたポイントとしては、
・AI導入は単なるRPAにとどまらない
・最初は少しのデータでも始めることができる
・見切り発車で独自のデータを取り続ける
の3点です。
少し概念的な話となったため、具体的なアクションが見えていないかもしれません。本書には、実際にダブルハーベストループを作成するための手順がかかれていたり、より詳しい事例が書かれており、AIの導入を検討される方には教科書となるような一冊となります。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
<参考文献>
堀田創、尾原和啓(2021年)【ダブルハーベストループ】ダイヤモンド社
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