100年前の驚異の自動機械技術、オートマタを見る
富士山のふもと、河口湖畔に、河口湖音楽と森の美術館があります。一体どのようなものがある美術館か分からなかったのですが、旧称が河口湖オルゴールの森美術館ということなんですね。
しかし、実際に見てみると、イメージしていたオルゴールとは全く異なりました。
目次
ヨーロッパのような雰囲気が漂う建物群
入り口からして、ヨーロッパの庭園のようなのですが、入ってみると…
まるで別世界!
行った日は曇りで、富士山が全く見えなかったのですが、本来は間近で見ることができます。
これらの建物には、展示施設のほかに劇場、レストラン、お土産店などがあります。
100年前の最先端技術「オートマタ」
河口湖音楽と森の美術館で展示されているものは、オルゴールというよりはオルゴール技術の応用した機械、もっと言えば超アナログなコンピュータ、と言った方がイメージに合っているかもしれません。一般的に言われているオルゴールは、手でゼンマイを回すと、金属筒が回転し、突起が弾かれることで音楽を奏でるような仕組みになっています。音楽を奏でるのに必要な「楽譜」は、金属筒の突起として記載されているわけですが、他にも円盤や折り畳まれた紙のタイプもあります。これを応用すると、突起を「楽譜」としてではなく、人形や演奏楽器の動きに応用するとこで、100年以上前に自動演奏楽器やオートマタが生まれました。
これは、音楽に合わせて人形が動きます。当時の超金持ちの貴族でしか、お目にかかれないものであったようですね。
ちなみに、裏から見るとなんと建物中まで再現されています。
もはや、自動演奏技術でも、模型としてもかなり精巧ですね。ライトまでこんなに美しく再現されていて、本当にどうやって作ったのか想像すら及ばないです。
100年前ダンスオルガン
こちらはオルガンですが、すごいのが、「全ての人形が自分の楽器を演奏する」ということ。この壁一面の人形、弦楽器やら打楽器やらを持っているのですが、それが動いて、リアルに演奏するのです。本当に信じ難いことです。しかも、この壁だけでなく、部屋中に人形さんがいて、それぞれが演奏をするのですね。
製造は、ちょうど100年前の1920年ごろ、ベルギー製だそうです。公式サイトに、詳しい情報が載っていますので、興味があればご覧あれ。
https://kawaguchikomusicforest.jp/concert/organ/
かなり精密な動きをするオートマタ
こちらは、頭や手、背中に載ってるものが同時に演奏されるオートマタです。10種類近くあります。ここまで複雑な演奏を可能にするの、本当すごい。
紙のオルゴール
こちらは、演奏の内容が「折り畳んだ紙」に記録されているタイプです。人形の下に格納されているのは紙で、読み取りは上部で紙を広げて行い、演奏されると下部に畳まれた状態で格納されます。この動きを見ているだけでも、アンティークな機械好きにはたまらないのではないでしょうか。
まだまだある、自動演奏技術の魅力
河口湖音楽と森の美術館には、他にもタイタニックに使用されるはずだった、着想から250年かけて作られたヴァイオリンの自動演奏機や、自動演奏機とオペラの共演など、見どころがたくさんあります。
機械好きのかたはぜひ、河口湖音楽と森の美術館に足を運んで見ては。
<公式サイト>河口湖音楽と森の美術館
山梨県南都留郡富士河口湖町河口3077-20
<アクセス>
河口湖駅 → 河口湖周遊レトロバスで約26分
(河口湖駅は、直通の高速バスが早くて便利。または中央線の大月駅から、富士急線で約1時間)
EVENTS