未来を創る、テックコミュニティー

1/13 プロジェクト報告会(メンター:後藤匡史様)開催レポート

シンラボ編集部
2021/01/30

 株式会社シナプスの後藤匡史さん(以降、後藤さん)をお招きしてプロジェクト報告会をしました。

 シンラボではテクノロジースタートアップの創出に向けて複数のプロジェクトを走らせています。
プロジェクト報告会では毎回ゲストをお招きし各プロジェクトの活動を報告、フィードバックを受けながらよりよいものにするためにディスカッションを行う会で月に1度実施しています。

 今回は前半1時間で後藤さんから講義をして頂き、後半1時間で「ふぁみかるくん」「Ohana」2つのプロジェクトから活動報告をしました。

 後藤さんの講義テーマは「インタビュー」でした。スタートアップを成功させるためには顧客のニーズを満たすことが必要でそのために重要な作業が「インタビュー」になります。そのポイントとなる部分を例示を交えて教えて頂きました。

 ニーズといっても強弱があり「どうしても欲しい」という強いニーズもあれば「あればいいかな」くらいの弱いニーズもあります。もちろん企業が目指すのは強いニーズにフォーカスすることです。

 その強いニーズは”ペインポイント”とも呼ばれます。例えばダイエットをしたい人というのは多くいると思いますが、たいていは「やせたらいいな」くらいでやり始めてもすぐにやめてしまうというのはよくあることです。
しかし「痛風がひどく医者に今すぐ痩せろと言われている」としたらどうでしょうか。
痛風という痛みが、避けられないモチベーションとなってダイエットすることを求めるようになるでしょう。
このように”痛い”ほどに欲しいニーズなのでペインポイントと呼ばれます。

 またニーズには顕在ニーズと潜在ニーズがあります。
 顕在ニーズはすでに顧客の意識の上にあるニーズで、潜在ニーズはまだ気づいていないニーズのことです。
 こちらも例を交えて説明頂いたのですが「干してたたんでくれる洗濯機」というのは聞けば誰もがそうして欲しいと思うような(顕在ニーズ)洗濯機ですが「洗濯槽を洗浄してくれる洗濯機」というのは洗濯槽が汚れているという事実を知らなかった時代には「必要なの?」と思われるようなものでした。

 顕在ニーズは必要とされていることが目に見えていますが競合が多かったり技術的に難しかったりします。
 一方、潜在ニーズは見つけづらく必要性に気づいてもらう必要がありますが、顧客がニーズを認識し始めれば市場を独占できる可能性があります。
 潜在ニーズを見つけていくためにもインタビューして生の意見を集めることが重要になってきます。

 ではインタビューは何人くらいにすればよいのでしょうか。後藤さんの答えは1,000人でした。多いなと思いましたが最初のリリースまではさすがに数十人ほどで、最終的に1,000人に聞いていくとどのような顧客層がいるのか明確に理解できるようになるそうです。

 上記以外にもインタビューにおける押さえておきたいポイントについて詳しく解説頂きました。
続いてシンラボのプロジェクトからの報告です。

 最初は「ふぁみかるくん」からです。

 こちらは、ご家族の病状の診断・経過を記録し家族間で共有できるアプリケーションを提供します。本アプリにより、ご家族の健康状態を素早く知ることができ、診察時にも医師に正確な病状を説明できます。ご家族の健康を知ることで安心した生活をでき、かつ、わかりずらい医療を理解しやすくすることを目指すプロジェクトです。
ふぁみかるくん サービスページ(https://famikar.jp/)

 後藤さんからは「マネタイズポイントはどこか」「ペインポイントは掴めているのか」といったフィードバックを頂き議論しました。マネタイズポイントをどこに置くかにもよりますが、もし親御さんからお金をもらうことを目指すのであればペインポイントを見つけることがこのプロジェクトのポイントになりそうです。

 2つ目は「Ohana」です。
 こちらは未就業者を支援するプロジェクトです。
 「Ohana」には、一人で悩まず、色々な人とお話してみよう!という意味、またハワイでは家族の意味を持つそうで発起人の方の想いを表現するプロジェクト名となっています。

 未就業者支援というのはテーマが大きいためまずはフォーカスポイントを絞っていくのが良いのではという話になりました。「会社/学校に行きたくない」という初期フェーズを対象とするのか「引きこもって外に出れない」というフェーズを対象にするか、というように分割して考えていくことで課題を明確にすることができるのだなと思いました。

 以上が1月のプロジェクト報告会についてでした。後藤さんにはシンラボメンバーが参加したT-CEP(イノベーション創出のための人材育成プログラム)でのつながりからご参加頂きました。
末筆ながら感謝申し上げます。

この記事を書いた人
シンラボ編集部
エディター