【AI技術交流会】AIを試すから、使い続ける工夫へ(2026年7〜9月)

2026年7月から9月にかけてのシンギュラリティ・ラボ(シンラボ)を振り返ると、AIへの関心が「何ができるか」から「どうすれば日々の仕事や開発で使い続けられるか」へ広がってきたことが見えてきます。
新しいモデルを試すだけでなく、情報の扱い方、利用量の制約、作業の自動化、開発環境まで考える。今期は、AIを一度使って終わりにしないための工夫が、学びのテーマになった3カ月でした。
2025年までの「テクノロジー交流会」は、2026年から「AI技術交流会」へ名前を変え、隔週のオンライン交流を続けています。この記事では、7〜9月の議事メモとAI開発講座のカリキュラムをもとに、コミュニティの学びの広がりを紹介します。
目次
それぞれの「試してみた」が、次の学びになる
交流会では、AI開発講座だけでなく、各勉強会やプロジェクトの近況も持ち寄られます。共通しているのは、知識を受け取るだけでなく、それぞれが関心を持ったことや試していることを共有する点です。
AI勉強会では、服装のコーディネートを考えるアプリや、街のシミュレーション、株式売買の判断へのAI活用などが話題に上がりました。身近な困りごとからシミュレーションまで、同じAIでも着眼点はさまざまです。7月には利用制限にすぐ達してしまうという話題もあり、「面白いことができる」と「無理なく使い続けられる」の間にある課題も見えてきます。
ロボット開発勉強会では、7月の「日本の勝機と課題」「データ戦略と合成データ」、9月の「ロボティクスの基盤モデルの概要」といったテーマが共有されました。画面の中で動くAIだけでなく、現実の環境で働くAIへ視野が広がっています。
プログラミング体験会では、GASと外部APIの連携から、データを可視化するダッシュボード作成へと展開しました。AI駆動開発でのWeb公開や開発者ツールも扱われています。「作ってみる」の次に、外部の情報を使い、動きを確かめ、人に見せられる形にする。その一連の流れに触れられることが、実践につながる学びになっています。
チーム開発ではポータルサイトの改善が続き、9月には次のバージョンに何を載せるかという検討も共有されました。完成を一度の区切りにせず、使いながら見直す姿勢は、AIを継続して活用する際にも重なるものがあります。
AI開発講座のテーマは「続けられる開発」へ
前の四半期には、SkillsやHooks、AI駆動開発の流れなど、AIを開発に取り入れるための土台を扱ってきました。7〜9月のカリキュラムを見ると、その先にある安全性や効率、作業の進め方へと関心が広がっています。
7月:便利さと一緒に、情報の扱い方を考える
7月のテーマは「AI時代のセキュリティ対策」でした。業務やプロジェクトにAIを取り入れるほど、どの情報を渡すか、どこまで操作を任せるかという判断も大切になります。
使える機能が増えることと、安全に使えることは同じではありません。AIを試す段階から日常的に使う段階へ進むうえで、便利さと情報管理を一緒に考えることが、学びの入り口になります。
8月:利用量と繰り返し作業を見直す
8月のカリキュラムには「トークン効率改善対策」と「Claude Coworkの活用」が並びました。トークンは、AIが文章を処理する際の単位です。やり取りを重ねるほど、必要な情報をどう渡し、不要な読み込みをどう減らすかが、使い勝手にも関わってきます。
同じ月の議事メモには、AIによる作業自動化やClaude Codeの学習についての近況も残っています。単発の質問への回答だけでなく、繰り返し発生する仕事の中にAIをどう組み込むか。講座のテーマと参加者の日々の関心が重なるところに、学び合う場の面白さがあります。
9月:作業の流れと開発場所まで視野を広げる
9月は「ループエンジニアリング」「AIを使ったGASアプリ開発」「AI駆動開発におけるクラウド開発」がカリキュラムのテーマでした。
一度の指示で完成を求めるだけでなく、作って確かめ、直していく流れを考えること。身近なGoogle Workspaceの作業をアプリへつなげること。そして、自分のPCだけに限らず、どこで開発するかを考えること。これらを並べると、AI活用をツール単体ではなく、仕事や開発の流れ全体で捉える視点が見えてきます。
振り返って印象的なのは、派手な新機能だけが学びの中心ではないことです。安全性、利用量、繰り返し、確認の手順といった地道な工夫が、実際に使い続けるためのテーマになっています。
交流会の話題を、自分のペースで学び直す
シンラボナレッジには、今期のカリキュラムに関連する「AI駆動開発」の教材があります。現在の教材から、復習の入り口になるものを紹介します。
- AI駆動開発のセキュリティとsecrets管理:プロンプトインジェクションなどのリスクと、APIキーなどの秘密情報をAIに見せないための考え方を整理しています。
- AI駆動開発のトークン効率化:読む量や回数、出力の大きさを見直す観点から、トークン消費を減らす方法を紹介しています。
- クラウド環境での開発:クラウドでAIコーディングを動かす利点や、ローカル環境との使い分けを学べます。
教材の閲覧にはログインと利用承認が必要です。また、教材は更新されるため、交流会当時の内容をそのまま再現するものではありません。交流会で気になったテーマを、自分の仕事や経験に引き寄せて学び直す際に役立てられます。
一人では追いきれない変化を、持ち寄って考える
シンラボには、エンジニアに限らず、事業づくりやプロジェクト運営など、異なる立場から技術に関心を持つメンバーが集まっています。詳しい人の説明を聞くだけでなく、参加者同士がそれぞれの疑問や試行錯誤を持ち寄れることが、この場の特徴です。
AIを業務に取り入れたいけれど情報管理が気になる方、使い始めたものの利用制限や繰り返し作業に悩んでいる方、作ったアプリを公開・改善するところまで進みたい方にとって、他の人の取り組みは自分の次の一歩を考えるきっかけになります。
この3カ月の変化を一言で表すなら、「AIを試すことから、使い続けるための工夫へ」。一人で正解を探し続けるのではなく、試したことを共有し、別の視点を受け取り、また試してみる。そんな積み重ねを、これからも続けていきます。
活動に興味を持った方は、シンラボのコミュニティ活動やお問い合わせをご覧ください。
運営母体:一般社団法人 未来技術推進協会
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