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今のうちにビットコインをおさらいする(前編)

シンラボ編集部
2019/09/16

※本記事は、未来技術推進協会ホームページにて2018年1月26日に掲載されたものです。

こんにちは。山本睦月です。
今回はBitcoin(ビットコイン)に関して書いていきます。
巷で話題のBitcoinについて一緒におさらいしていきましょう。


「Bitcoin」の始まり

Bitcoinは、仮想通貨と呼ばれる通貨をインターネットを介して受け渡しが出来るシステムの一つです。
毎日聞かない日はないBitcoinですが、だれが創ったものかご存知でしょうか?

2008年、暗号システムに関して議論するとあるメーリングリストに投稿された、1つの論文が基になっているといわれています。
投稿者は「中本哲史(なかもとさとし)」さんという方です。
「え?日本人が作ったの!?」と思われるかもしれませんが、この人物が何者なのかいまだ明らかになっていません。
そんな謎の中本さんが投稿したデジタル通貨のシステムに関する論文は非常に画期的なアイデアでした。
これが非常に面白いものだったので、好奇心旺盛なプログラマーたちが実験的な意味合いで作ったものがBitcoinの始まりなのです。

150億円のピザ

2010年5月
ラスロー・ハニヤットというプログラマーが、面白半分に「bitcoinとピザを交換してくれ!」と呼びかけました。
当人は冗談のつもりだったと思いますが、これにイギリス人の男性が「ピザと交換してあげる!」と応じました。
これが世界初のBitcoinを利用した商取引だといわれています。
ちなみにこの時支払われた額は1万BTC(BTCは「bitcoin」の頭文字をとったもので、ビットコインの単位に使われています)で、2018年1月時点の価値でいうと約150億円です!
おそろしく高いピザですね…
これを記念して、2010年5月22日は「ビットコイン・ピザ・デイ」と呼ばれ、関係者の中では特別な日となっています。

出来たばかりのころは遊び半分でつくったBitcoin。
ほったらかしにして忘れていた人もいたらしく、ニュースでその価値を知ったときにはパソコンごと捨てた後…なんてこともあったそうです。
捨ててしまったその人は、今も数十億の価値があるハードデイスクをゴミ捨て場で探しているとか。

始めは遊びで使われていたBitcoinもいろいろな実験の積み重ねやお金と交換する実績を経て、少しづつ信用を蓄積し今の形となったのです。

Bitcoinはどこにある?

さて、巷でにぎわうBitcoinですが、実物を目にした方はいらっしゃいますか?
「実は、先日何枚か手に入れて家のタンスの奥にしまってある」という方は、詐欺にあわれている可能性もあるので注意が必要です。

bitcoinはインターネット上でやりとりされる仮想通貨の一つです。
あくまで仮想通貨の代表的な1つであって、似たようなものが1000以上あります(ほんとに小規模なものを合わせると6000以上あるとも言われています!)
bitcoinに次いで大きなシェアをとっているのが「Ethereum(イーサリアム)」次が「Ripple(リップル)」と続きます。
いずれもbitcoinのライバルのような存在で、徐々にシェア率を伸ばしています。

仮想通貨のメリットは様々ありますが、中でも大きいのは「インターネット上でやりとりができ、海外送金時などの手数料が少ない」というところでしょう。

2014年ごろ、中国では人民元をbitcoinに変える動きがあり一時期では全世界の取引量90%を占めていました。
理由としては、政府の規制により人民元を海外に持ち出すには制限があったため、bitcoinを介して外資に移し替えていたからです。
最近ではbitcoinに対する中国政府の規制がますます強まり、1%にも満たないシェアとなっています。

仮想通貨に関する各国の対応は様々です。
日本でも徐々に法整備が進み、2017年4月には「十一 資金決済に関する法律の第三章の二」に仮想通貨が追加されました。
また、アメリカ合衆国にはbitcoin事業者に対する法律「Bit License(ビットライセンス)」があります。
Bit Licenseの審査は非常に厳しいようで、取得に成功したのはいまだ4社となっています。

国や地域により仮想通貨に対する動きは様々ですが、法整備が整えばいろいろな企業が参入し、ユーザーも安心して安全に利用できるようになるでしょう。


ここまでBitcoinの始まりからおさらいしてきました。
では、世界的に活躍するBitcoinはだれが管理しているのでしょうか?
また、仮想通貨のセキュリティ面は大丈夫なのでしょうか?

次回はBitcoinを支えるシステム「Blockchain(ブロックチェーン)」に関してご紹介します。

参考

この記事を書いた人
シンラボ編集部
エディター