未来を創る、テックコミュニティー

日常生活を送るだけで健康につながる未来へ!

福田
2020/06/12

話は戻って、日経BP総合研究所が提案している「空間×ヘルスケア2030」についてです。こういった将来ビジョンを示してくれるところは素敵です。一つのコンセプトは、「処方箋に従った薬の提供の場」から「街の健康相談の場」としてのアップデートです。薬局数は厚生統計要覧(平成30年度)によれば約59,000店でコンビニ(日本フランチャイズチェーン協会HP)よりも多いです。こんなに身近にある店舗を有効活用しないという手はないということでしょう。

そういえば、我が家の近くも薬局の方が多い気がします。薬局に「コミュニケーションやヒーリングの場」や「健康診断の場」としての機能を持たせることで、Quality of Lifeの向上や病院に行く回数を減らしたりという利点がありそうです。前者は井戸端会議や町の集会所のようなイメージですかね。

「健康診断の場」としての機能も個人的にはすごく期待しています。日常生活の中でそれほど意識しなくても、健康につながっていければ何も言うことはありません。例えば、理研が中心になって進めてきた「健康”生き活き”羅針盤リサーチコンプレックス」のプロジェクトでは、健康関数という指標で街中で測定した健康診断データを個人の健康改善につなげようと取り組んでいます。今後の研究の発展に期待!

また、薬局以外でも最近では睡眠中の心拍から心身の健康状態が評価できるようになってきました。この「睡眠サービスコンソーシアム」は昔の上司が中心になって進めていることを最近知りました。世の中は狭い!また、豪州のスタートアップであるReApp Healthは呼吸器疾患を診断するスマートフォンアプリを開発しています。

このような取り組みはまだまだたくさんあります。慶應大学が中心になって進めている「健康情報コンソーシアム」では、健康に関するあらゆるデータを集約して未病診断指標や病気の兆候を早期に見つけ出すロジックを開発しています。また、弘前大ではCOIプログラムで「健康ビックデータと最新科学がもたらす”健康長寿社会”をビジョンとした産学官連携の研究」が精力的に進められています。こういった技術の組み合わせで、コロナ後の社会では少しでも健康で豊かな生活を送れるように世の中が分かることを祈っています。

この記事を書いた人
福田
エディター