未来を創る、テックコミュニティー

ねちっこく!努力を継続した先に見える世界!

シンラボ編集部
2019/09/16

※本記事は、未来技術推進協会ホームページにて2018年9月19日に掲載されたものです。

2018年~2019年は宇宙ビジネスが発展する年と言われています。
今までは、政府や大きな研究機関でしか触れることができなかった宇宙という未知の世界が、宇宙旅行の実現を初め、多くの企業が宇宙ビジネスに取り組んでいることにより、今まさに目の前にやってきているのです。

この度、未来技術推進協会では、少しでも多くの方に宇宙を身近に感じてもらえればという想いを込めて「宇宙旅行に何着ていく?」宇宙旅行と宇宙服トークショーを開催しました。
そしてさらに、眼鏡屋を経営しながらもエベレスト登頂など様々なチャレンジを続け、
宇宙に行くという夢を実現された星野誠様にインタビューしました。


目次

宇宙ビジネスに興味を持たれたきっかけは?

まずはじめに伺います。宇宙ビジネスに興味を持たれたきっかけは?

宇宙ビジネスというより、宇宙の起源や誕生に興味があります。
宇宙を目指したきっかけの一つに、バックパッカーをしたときの体験があります。
20代でモロッコの砂漠へ行き、夜の生命の気配も音もまったくない無音空間で月を見て、直感でエベレストへ行くことと、宇宙へ行くことを決めました。
日常と違う極限的なところへ行くのが気持ち良くて、そういう場所を追いかけているところがありますね。

極限的なところとは、どのようなところでしょうか?

極限的なところというと、時間が止まっているようなところですね。動かないと自分が消えるようなイメージの場所です。

体験以外では、中学校の頃から生命の起源や宇宙の誕生などに興味がありました。他にも、SF映画に描かれている宇宙が好きでした。
孤独に対する憧れのようなものがあって、僕の中のイメージですが、宇宙には孤独感があるんです。
モロッコの砂漠で感じたものと同じイメージなんですが、自分しかいなくなってしまうようような、なぜ自分が生まれてきたのかを思い出させるような感覚が好きで、宇宙には興味がありました。未知への好奇心も。
僕は、宇宙ビジネスと言うよりは、こういった宇宙の思考の方に興味があります。

現在の仕事内容を教えてください。

思考に興味があるんですね。それではお話は変わりまして、現在のお仕事の内容を教えてください。

眼鏡屋を10年と、香港、インドネシアにそれぞれ会社を設立しています。
香港は眼鏡の仕入れ、インドネシアはIT系の会社です。
眼鏡屋はもともと眼鏡が好きなのではじめました。

社会人になってすぐ会社経営されたのですか?それとも、会社員をしながら会社経営を初めたのでしょうか?

もともとは会社員として3~4年程働いていました。
僕はやるべきことリストという人生のリストに基づいて行動しているんですが、そこに「ホテルを作る」というのがあって、それを叶えるために会社を辞め、ホテル関係の仕事に転職しました。
ホテルで働いていたときに名古屋の無重力体験に参加して、やっぱり宇宙へ行こうと決めました。
ホテルを作るので働かせてくださいと言って拾ってくれたホテルだったんで、宇宙へ行くために辞める事を伝えたときは怒られましたね(笑)
その後すぐにアメリカへ行き大貫さん、帰ってから山崎さんに出会い、宇宙旅行の会社を作りました。
その後、様々な会社の経営を経験しましたが、30歳になってからぼくの名前でもある「言ったことを成す」という想いを込めた眼鏡屋を設立しました。
眼鏡コレクションが300本程あったので、その販売から始めました。

チャレンジするうえでの醍醐味を教えてください

数々のチャレンジをしている星野さんですが、チャレンジの醍醐味を教えてください。

生きているという実感と死を感じられるところです。

これは星野さんの体験からくるものですか?

そうかもしれません。最近気づいたことです。
エベレストに登頂してから、燃え尽き症候群に陥ったんです。
何か幸せを感じないなと思いました。

エベレストに登っているときは大変だし、死ぬ危険性もあるからこそ、フルで細胞を使っているという感覚があって楽しいんですよね。
日本でダラッとしているときにその温度差を感じます。
戦場の兵士が、また戦場に行こうとする感覚ですね。
本当は日々の小さなことに幸せを感じられている方が幸せだと思います。何周か走り終わった後に感じられるようになりたいですね。

チャレンジするうえで、不安はありますか?

チャレンジすることに不安を感じる方もいると思います。星野さんはチャレンジする上で、不安はありますか?

チャレンジすることがなくなることに不安を感じます。
チャレンジしようという意識がなくなることも不安。
僕としては常に走り続けていたいんですよね。
走り続けないと生きられないような。いずれ一通り全部チャレンジし終わった後に一皮むけたら良いです。

チャレンジするものはどのように見つけているのですか?

どんなことでもまずやってみて、自分の心が疼いたものにチャレンジします。
次々いろんなものに手を出しているので、周りにいる人は大変ですね(笑)

でも、経験せずに終わるよりは良いですね。

 いろんなことにチャレンジされているようなので、宇宙の次も楽しみですね。

そうですね。宇宙は早めに行こうと思っています。そこからまた何をやるか考えようと思います。

チャレンジには、人の協力や資金が不可欠。どうしていますか?

チャレンジするには、人の協力や資金が不可欠だと思います。

色んな人の協力や、資金の面で大切にしていることはありますか?

そこの問題よりも、まずはいかに自分を駆り立てるかですね。
色んな所でいかに自分の体験を積み立てるかを大事にしています。僕の場合は強力な体験に引っ張られます。
モンゴルの砂漠で見た月の美しさや、世界中で色んな人と話をした事など、どこで駆り立てられるかわからないので、いろんな体験を大事にしています。
そんな、様々な体験の中にちらっと落ちているんですよね。
1回の体験で駆り立てられることもあれば、「自分駆り立てボトル」みたいなものに貯めて、一定量まで貯まったら駆り立てられるということもあります。
宇宙は後者です。いろんな体験や経験を貯めて、駆り立てられました。

それから、何より大事なのは周りへの感謝です。この感謝が大変重要なことだと思います。
なんとなくした方が良いからしようという感謝ではなくて、心の底からふつふつと湧き上がるくらい強くて安定した、それくらいの感謝ですね。
僕の課題でもあります。

湧き上がるくらいの感謝が大事だと気づくきっかけは何でしょうか?

正直に言うと、まだ感じていません。
ただ、今の僕は砂の城のようなイメージで、これをリアルな城に変えるのに圧倒的に足りていないものがあるんです。
それが感謝だと思う。今後10年の課題ですね。

20〜30代の若手技術者に対して期待することを教えてください。

少し違う切り口での質問です。

私達未来技術推進協会は20代~30代の若手技術者を中心とした団体ですが、若手や技術者に対して期待することを教えてください。

安全牌だけをとらずに人から馬鹿だと思われることでもとことん突き詰めてほしいです。
人から色々言われたり、結果が出ていないけどやり続けられるのはタフだと思います。だけどそこをぶち抜けられたら良いと思います。

まさにご自身の経験から来る言葉ですね。

星野さんの結果を見るととても華やかですが、やはりそこに行くまでタフな経験を積まれたのですか?

タフな経験は特にしていないのですが、自分が自分を好きでいられるようにというのは細心の注意を払っています。
エベレストに行くまでは「お前にできるのか?」って言われました。名刺交換のときに火星に行くと言うと一気に距離ができることもありました。もう、ほぼいつもです。
でも最近は距離ができると、逆に安心します(笑)
周りにどう思われようがここは問題ないのですが、自分が自分を信じられなくなると、本当につらいです。目標と自分の乖離に常にいらつきます。自分で自分に苛立つことはしょっちゅうです。そんな時は本当にやばいです。
でも、自分から逃げないこと、それだけは常に心がけています。

繋ぎ止めるものは何ですか?

今までとってきたリスクですね。
今まで、スタッフや社員を辞めさせて、いろんなものをぶち壊してきているので、辞めようとは思いません。
背水の陣に持っていったら馬力が出るイメージです。

宇宙ビジネスが社会課題にどう貢献しますか。

宇宙ビジネスが社会課題にどう貢献するか、お聞かせください。

思考は移動距離によって変わると言われているので、より多くの人が宇宙ビジネスに関われば、人の意識の変革があるかもしれません。
人類が火星に行けるようになれば、時間という概念すら変わる可能性もあります。
そういう、思考が変わるところが社会課題に影響すると思います。

民間の宇宙旅行が始まると、宇宙がもっと身近になると思います。そこに期待することはありますか?

一般の人が宇宙に行けること自体にわくわくしています。
それに伴って、何かがなくなったり、破壊されて違うものに変化することもあるかもしれませんが、それが時代だと思うので、こうなったら嫌だなというのは特にありません。
たとえ宇宙開発が進んだ結果、地球がなくなったとしてもわくわくします。

どんな変化も期待しているということですね。

そうですね。変化がある方が良いですね。
エベレストに登って感じたんですが、8300m以上に行ける人は何があっても生き残れると思います。(笑)
フィジカルの強さもあるかもしれませんが、運もあると思います。
そういう人はねちっこいのかも。
粘り強いのではなくねちっこい(笑)

なるほど。これからの人類に必要なのはねちっこさかもしれませんね(笑)

インタビューを終えて

「常に走り続けていたい」という言葉がとても印象的でした。これは多くの経験を重ねている星野様だからこそのお言葉だと思います。
ただ、同時に感じるのは、私達も努力を重ねた先にやりたいと思っていた夢や、成し遂げたい目標を達成することができるのではないかという可能性でした。

「宇宙旅行」と聞いて、もしかしたら多くの方が不可能なものだと思う方もいらっしゃるかもしれません。本当にそうでしょうか?

私達未来技術推進協会では、技術で社会課題を解決するというビジョンを掲げています。一つ一つは小さな努力かもしれません。しかし、その努力こそが未来を創る礎であることを信じて「ねちっこく」取り組んでいきます。

星野誠様のホームページはこちらです。ぜひチェックしてください!
星野誠

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誠眼鏡店

この記事を書いた人
シンラボ編集部
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