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弾道ミサイルについて解説してみた

KURO
2021/06/07
弾道ミサイル

弾道ミサイル

ニュースでもたびたび出てくる「弾道ミサイル」という言葉。この「弾道」というのは何を指すのでしょうか。
ロケット砲みたいに、直接敵国に向けて発射するミサイルとは違うもので、実はそれよりも遥かに高度な技術で成り立っているものです。

ミサイルから身を守る未来
内閣官房 国民保護ポータルサイト
http://www.kokuminhogo.go.jp/kokuminaction/

物騒な話ですが、日本でも「ミサイルから身を守る方法」を国が公式に発表しています。最近、パレスチナ・イスラエル紛争で、都市の住宅街や公園にもロケット弾が飛んでくる映像がたびたび報道されますが、実際のところ日本に弾道ミサイルが飛んできたらどうなるのか、物騒な話ではありますが、今世界で報道されている事実を踏まえ、ミサイルの脅威と共にある未来を考えていきたいと思います。

 

そもそもミサイルって何?

Wikipediaで調べてみると、「目標に向かって誘導を受けるか自律誘導によって自ら進路を変えながら、自らの推進装置によって飛翔していく軍事兵器」のことだそうです。一般的には、軍事兵器を乗せたロケットのことを、ミサイルと表現したりしてますね。

一方で、ロケット弾やバズーカ砲との違いとしては、「日本では一般に何らかの誘導装置を持つものを(ジェット推進のものも含めて)ミサイル(誘導式噴進弾)と称し、誘導装置を持たないものをロケット(無誘導式噴進弾)と呼び区別しているが、他の国においてはその限りではない」ということだそうです。熱センサーやGPSを使って、着地点まで誘導してくれる機能があるものを、ミサイルと呼びます。

 

弾道ミサイルとは?

ミサイルの分類では、「巡航ミサイル」と「弾道ミサイル」という2つの種類があります。巡航ミサイルは、飛行機のように直接対象に向けて飛んでいくもので、こちらもよくニュースで聞く言葉かなと思います。

一方で弾道ミサイルとは、一度大気圏に向けて発射し、放物線(弾道)を描いて、そこから対象まで落下していくものを指します。大気圏まで飛ばすので、設計を誤ってしまうと大気圏で燃えたり爆発したりして、軍事兵器として成り立ちません。なので、そのエネルギーや技術も必要になりますし、逆を言うと、遠くまで短時間で飛ばすことも可能になります。

 

日本ではミサイル迎撃はできるのか?

ミサイルが飛んできた時に、それを撃ち落とす技術装備があれば、安心して生活できますよね。パレスチナ・イスラエル紛争では、イスラエル軍が迎撃している映像がよく報道されていたりします。ただし、迎撃できたとしても爆風からは身を守る必要がありそうです。

一方、我が国で警戒されている弾道ミサイルが発射された場合で言うと、防衛省・自衛隊のHPでははっきりした書き方はしてませんが、北朝鮮ミサイルの迎撃は、一般のより困難であるかのように書かれています。
防衛省・自衛隊HP
https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/bmd/

 

近年言われているのは、北朝鮮のミサイルは技術力が急激に進歩していて、高角度で打ち上げて落とすことも可能とのこと。より高速で地面に落ちるので、迎撃は難しくなります。ニュースでは「飛んだ距離」が報道されることが多いのですが、既に全土が射程内にある日本の場合、重要なのは迎撃の難しさであり、分かりやすい指標としては「どれくらい高く飛んだか(=どれくらい速いスピードで地面に激突するか)」です。

こちらのロイターのサイトでは、これを分かりやすく解説してます。 
http://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/rngs/NORTHKOREA-MISSILES-LJA/0100602P04Z/index.html

弾道ミサイルとは
弾道ミサイルと迎撃
(防衛省・自衛隊「北朝鮮のミサイル等関連情報」https://www.mod.go.jp/j/approach/surround/pdf/dprk_bm.pdf)

 

都市計画に軍事防衛を考慮すべき

ここから先は私感になりますが、単純に考えて、ミサイルを発射するよりも、迎撃する方がより困難であろうと思います。迎撃ミサイルは、その高速で移動する対象にアタックするだけでなく、地上への影響が少ない地点で爆発させる必要があるからです。

これは、相手国の軍事技術もそうですし、なにより人口密集地帯が連続する首都圏は、「どこで爆発しても被害が出る」場所になっているので、もしミサイル脅威が迫ってきた場合は、都市のあり方についても考える必要がありそうですね。

ミサイルと迎撃ミサイル
パレスチナのミサイルとイスラエルの迎撃ミサイル
左がイスラエルの迎撃システム「アイアンドーム」、右がパレスチナのミサイル
(AFP通信より https://www.afpbb.com/articles/-/3346472)

この記事を書いた人
KURO
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