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Nreal用のARアプリ開発環境を整える | Nreal

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シンラボ
2022/04/26
今回はNreal社のARグラスで使うアプリ(Nreal用アプリ)を開発するために必要な準備について紹介します。

開発環境準備の全体の流れは次の通りです。

1. Unityを用意する

NRSDKとは、UnityでNrealアプリを開発するキットです。NRSDKの詳細は2で述べることにし、ここではUnityの準備について説明します。

はじめにUnityを用意します。Unityを立ち上げるところまでがこのステップの目標です。

Unityの準備にあたり、次のA、B、Cで自身の環境に近い物を選んで進めてください。

  1. すでにUnity 2018.2.x以上がインストールされている
  2. Unity HubやUnity 2018.2.x未満がインストールされている
  3. 上記以外や何もインストールしていない

なお、公式によるとUnity 2018.2.x以上のバージョンに対応しているようですが、開発中に動作が不安定の場合、最新版のUnityを用意してください。
Q:Unityのどのバージョンに対応していますか? A:現在2018.2.x以上のバージョンのみに対応しております。
FAQ | Nrealより

A. すでにUnity 2018.2.x以上がインストールされている

次のステップ「2. 専用の開発キットを用意する」に進んでください。

ただし動作が不安定の場合がありますので、必要に応じて最新版のUnityをインストールしてください。(最新版Unityのインストールの仕方は「C. 上記以外や何もインストールしていない」に記載してあります。)

B. Unity HubやUnity 2018.2.x未満がインストールされている

Nreal用アプリ開発のために、Unity 2018.2.x以上のバージョンが必要なため、Unity Hubから最新版のUnityをインストールしてください。 (最新版Unityのインストールの仕方は「C. 上記以外や何もインストールしていない」に記載してあります。)

C. 上記以外や何もインストールしていない

※サインインやアカウント登録が求められた場合、適時完了してください。

ここでの手順は、
  • c1) Unity Hubをダウンロード、インストールする
  • c2) 最新版Unityをダウンロード、インストールする
という流れです。

c1) Unity Hubをダウンロード、インストールする

はじめに、下記URLから「Unity Hub」をダウンロード、インストールしてください。

LTS リリース版のバージョンは何でも良いです。ここでは2021.3.0f1を例に説明します。

https://unity3d.com/jp/unity/qa/lts-releases -Unity QA – LTS Releases – Unity
Unity LTS リリース版 2021.3.0f1のダウンロード場所イメージ
Unity Hubとは
  • Unityは頻繁にアップデートされ、様々なバージョンがあります。例えば、Unity 2020やUnity 2021、Unity 2021の中でもさらに49個もの種類(2022年4月時点)があり、今使っているバージョンやアップデート情報を管理しておくのが大変です。そのため、現時点でインストールしているUnityがどのようなものか一箇所で管理するものがUnity Hubです。
  • また、Unityでアプリ開発するとき、開発するアプリごとにフォルダを作るイメージです。何の開発フォルダを持っているかを、リストで確認することもUnity Hubで行うことができます。

c2) 最新版Unityをダウンロード、インストールする

Unity Hubが無事にダウンロード、インストールできたら、Unity Hubを立ち上げてください。
Unity Hub バージョン3.1.1

続いて、最新版のUnityをインストールします。

左端のメニューから「インストール」を選択、右上の「エディターをインストール」をクリックしてください。
インストールしたUnityのバージョン一覧が表示される
画像では過去にインストールしたバージョンのUnityが一覧となって表示されている
エディターをインストールを選ぶ
一覧の中から最新版(ここでは2021.3.0f1)を選び、「インストール」をクリックします。
選択したバージョンをインストールする

「モジュールを追加する」画面が出てきます。
ここでは、Visual Studio、Android Build Support、Documentation、日本語パックを追加します。(これは後からでも追加できますが、選択して追加しておいてください。)
windowsでもVisual Studioをインストール

左端のメニューから「インストール」を選択した画面の一覧に、インストールしたバージョンの名前が現れていればこのステップは終了です。

2. 専用の開発キットを用意する

続いて実際にNreal用アプリの開発ができる環境を整えます。このステップの目標は開発キットを用意すること、エラーなくUnityで開発できることを確認することです。

このステップの流れは、
  • 2.1. NRSDKをダウンロードして用意する
  • 2.2. ARアプリ開発フォルダを作る(プロジェクトを作成する)
  • 2.3. NRSDKをUnityで使えるようにする(パッケージをインポートする)
  • 2.4. エラーを修正する
となっています。

2.1. NRSDKをダウンロードして用意する

このステップのはじめに、Nreal用アプリ開発キットである、NRSDKを用意します。

NRSDKは、Nreal社公式サイト内からダウンロードできます。最新版のNRSDKをダウンロードしてください。(保存先は自由です。)

https://developer.nreal.ai/download
※ダウンロードするために、アカウント登録し、ログインする必要があります。
※たまにログインをしてもエラーになることがあります。このとき、パスワードをリセットすると解決する場合があるようです。
nreal developer you're almost done. Please check for verification email and follow link before logging in. if you hove chacked,Click here to finish your Log in.
nreal developer Page not found. Don't lose your glasses.

2.2. ARアプリ開発フォルダを作る(プロジェクトを作成する)

続いて、テスト用のARアプリ開発フォルダを作ります。

この開発フォルダを作ることをUnityでは「プロジェクトを作成する」と呼びます。

Unity Hubを立ち上げ → 左端メニュー「プロジェクト」 → 右上「新しいプロジェクト」を選択します。

プロジェクトの設定をする画面が現れます。

次の通りに設定します。

  • ①中央のリスト「3D」
  • ②右端プロジェクト名「自由(ここでは My AR Project)」、
     保管場所「自由(デフォルトのままでOK)」
  • ③「プロジェクトを作成」を選択します。
Unity プロジェクト作製の手順
プロジェクトを作成した後、自動的にUnityが立ち上がるのを待ちます。

2.3. NRSDKをUnityで使えるようにする(パッケージをインポートする)

ここからは2.1.で用意したNRSDKをUnityで使えるように設定します。

画面上部の「メニュー」から「アセット」→「パッケージをインポート」→「カスタムパッケージ」を選択します。

その後、2.1.で用意したNRSDK(NRSDKForUnityAndroid_1.x.x.unitypackage)を選択します。
Unity カスタムパッケージの選択
インポートするデータを選択するウィンドウが現れます。
すべてのデータを使用するため、ウィンドウ下部にある「すべて」を選択したあとに「インポート」してください。
Unity データのインポート画面

インポートが終わると、「プロジェクト」ウィンドウ内の「Assets」フォルダ内に「NRSDK」というフォルダが追加されます。
NRSDKのフォルダにNrealのARアプリ開発に必要な大事な素材(アセット)が入っています。
Unity アセットの追加画面でNRSDKを追加

2.4. エラーを修正する

NRSDKフォルダが追加されたことを確認した後、Android開発環境準備のステップに入ります。

NrealのARアプリを開発するというのは、もう少し具体的に説明すると、
Unityというゲーム開発ソフトウェア内で、NRSDKという素材を使い、Android向けのアプリ開発するという意味です。

そのため、Android向けアプリ開発ができる環境の準備が必要です。その準備は以下の手順で行います。

画面上部のメニューの「NRSDK」から「Project Tips」を選択します。

新しいウィンドウが表示されます。「Fix」ボタンを押し、すべてのエラーを修正してください。
NRSDK Project Tipsより、プロジェクトのエラーを修復する
※最新版のNRSDKではない場合、この修正の案内をする画面が出ない場合があります。
※この設定は、画面上部のメニューの「ファイル」→「ビルド設定(Build Setting)」の設定をいじっていることになります。詳細は
https://developer.nreal.ai/develop/unity/android-quickstartの「Configure Build Settings」の節で説明されています。

すべての修正が終わったら環境設定完了しています。
プレイボタン(▶︎)を押して、エラーなく動作できることを確認してください。
Unity プレイボタン

最終的に、Unityでプレイボタンを押してエラーなく動作確認できれば、全ての環境設定の準備は終了となります。
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