未来を創る、テックコミュニティー

日常生活を送るだけで健康につながる未来へ!

福田
2020/06/12

みなさん、こんにちは
シンラボ広報部の福田です。

シンラボPJの「ふぁみかるくん」もリリースに向けて奮闘中ですし、個人的にも健康が気になる年頃です。ということで、今回は健康ネタです。「ふぁみかるくん」も開発が佳境に入ってきて、今後の展開を期待しています!

今一番気になっている取り組みは、「社会生活の中でどこまで健康になれるか?」ということです。日本では特に医療制度が優れているので、「病気になったら病院に行けばよい!」と思ってる人が多いとは思います。

例えば、外科系学会社会保険委員会連合は日本特有の医療費の増加要因として、下記の5点を挙げています。

  • 病床数が多い、在院日数が長い
  • 薬剤価格が高い、薬剤使用量が多い
  • 医療材料価格が高い
  • 検査が多い
  • 受診回数が多い

この指摘はごもっともで、高齢者人口の増加と共にこのような状況が行政の予算を圧迫もしているのも事実です。自己負担も少ないので多くの人が病院に多くお世話になっています。日本では医療費の行政負担分が大きいので、一個人としては自分の持ち金と相談するだけですが、医療費をたくさん使う人が増えてきた昨今は無視できない問題になっています。

そういった状況を少しでも打破しようとして、医療機関による診療行為だけでない健康への取り組みが急速に伸びています。一例として、日経BP総合研究所は「健康で幸福な人生100年時代を可能にする」という社会を描くビジョンとして、「空間×ヘルスケア2030」を提案しています。この提案は、「住宅」、「オフィス」、「学校」、「商業施設」、「駅」、「道路」、「モビリティー」などを全て活用して人間生活の中で病気予防や健康増進につなげていく、という内容です。つまり、我々の日常生活で使う場所の全てで健康につながる行動に導いてくれます。

ご存知の方もいるとは思いますが、2020年からは後期高齢者医療制度の健康診査でフレイル評価が正式に始まりました。「フレイル」とは、下図のように「健康状態」と「要介護状態」の中間状態のことです。加齢と共に生活機能が低下することは誰もが避けられないことですが、これをできるだけ遅くし、なるべく「要介護状態」にならないようにするという取り組みです。

現状の生活機能を定量的に評価することで、少しでも生活機能の低下を抑制する取り組みを促します。こういった取り組みがうまく機能すると、「医療費の削減」に合わせて「高齢者の労働の継続」にもつながります。自宅で引きこもっているよりも、外に出て働いた方が健康で有意義な生活を送れると思います。また、高齢期に社会から孤立してしまうという社会課題解決にもつながります。フレイル評価は一手段なので、これだけで全て解決するとは思いませんが、多くの総合的な取り組みで避けられない高齢化時代においても社会全体が活気のある状態を作り出していきたいです。

また、厚生労働省は以前から検討されてきているPHR(Personal Health Record)の本格導入に向けて精力的に活動しています。その名の通り、個人の健康情報をうまく活用しようという取り組みです。「コロナの影響による皆さんの健康意識の高まり」や「医療費の財政圧迫」の相乗効果でこの辺の取り組みが一気に進むとは個人的に期待しています。

厚生労働省はどうしても社会的影響が大きい案件が多いですが、新しい取り組みが出てきます。

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福田
エディター