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世界中から食べ物に困る人を救っていくためには?SDGsの目標2達成に向けた取り組み

福田
2021/06/10

前回の記事ではSDGsの目標1である「貧困層をなくすための多くの取り組み」についてまとめました。
https://sinlab.future-tech-association.org/column/fukuda/sdgs-target1/

そこで、今回は目標2の課題解決に向けて取り組んでる企業や団体を紹介します。

SDGsの目標2のターゲット概略は下記の内容です。色々とありますが、世界中の人に平等に食料が届くこと、そしてそれを実現するための食糧生産性/流通に関する内容です。
https://www.ungcjn.org/sdgs/goals/goal02.html

・飢餓を撲滅し、一年中安全かつ栄養のある食料
・若年女子、妊婦・授乳婦、高齢者の栄養ニーズ対応
・食料生産者の所得を倍増
・土地を改良し、持続可能な食糧生産の仕組み
・種子/植物バンク
・開発途上国の農業生産力向上
・農産物の貿易制限や歪みの是正や防止
・食糧備蓄などで価格の極端な変動を抑制

世界中で飢餓に苦しんでいる人たち

今、世界中の9人に1人が飢餓で苦しんでいると言われています。日本人の感覚では飢餓というイメージは遠いとは思いますが、学校の35人クラスだとしたら4人位は飢餓なのです。

参照:目標2 飢餓をゼロにすることはなぜ大切か
http://www.unic.or.jp/files/73d0a143819a3312187d24245cb46dac.pdf

じゃあ、これは遠い異国だけの問題なのでしょうか?

日本では少し定義が違いますが、貧困などの理由で毎日の食事に困っている人の割合は実は7人に1人と言われています。この数字は結構多いと思った人が多いのではないでしょうか?

参照:日本の子どもの7人に1人が経済的なハンデを背負っている。いま「第三の居場所」が、なぜ必要なのか?
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2019/28194

主な理由はSDGsの目標1で掲げられている貧困と言われています。これはなかなか難しい問題で、貧富の格差は年々広がっています。そして、今の状況で富める人はそれほど困らずに、それほど裕福でなかった層が色々と苦しんでいる状況が続いています。

日本における食品ロスという課題

日本ではスーパーやコンビニエンスストアなどで多くの食品で溢れています。それでも、7人に1人が満足な食事をとれていないのが現実です。一つの課題が「食の不均衡」です。

日本では年間600万トンのまだ食べられるものが捨てられています。誰でも経験があると思いますが、毎日の食事で残したことがあるでしょう。一人一人としては小さいですが、これが積み重なると600万トンという莫大な量が廃棄されているのです。

また、形が悪く、割れているだけで商品にならない野菜もたくさんあります。味は変わらないのに、一般の人に流通していない現実はもったいないです。

ただ、年間600万トンという数字だとイメージが付きにくいでしょうが、これを一人当たりにすると毎日お茶碗一杯分の食品を捨てていることになります。

参考資料:農林水産省食品ロス量
https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/210427.html

食品ロスの解決に向けた取り組み事例

こんな課題解決に対して取り組んでいる団体の活動を紹介します。

  • セカンドハーベストジャパン

「ハーベストキッチン(炊き出し)」、「ハーベストパントリー」、「フードバンク活動」、「政策提言・発展」の活動をしています。一つの大きな活動として、近い将来に余ることが予測される食品を集めてきて、困っている人に提供するという取り組みです。

こういった取り組みを通じて、食の不均衡を少しでも解消しようとしているのが素晴らしいです。サポーター企業やボランティアも多数協力してくれるので、一体となって活動しているのが良いですね。

セカンドハーベストジャパンウエブサイト:http://2hj.org/

  • Cookpad

みなさんご存知の料理検索サイトである「Cookpad」も食品ロスに取り組んでいます。例えば、下記のようにサイトで検索するとフードロスメニューがあります。こういったところで、普段捨てていた「大根の葉っぱ」や「大根の皮」を使ったレシピや冷蔵庫の残り物の活用などが出来ます。

https://cookpad.com/search/%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%83%AD%E3%82%B9

  • イオングループ

写真は下記の日経ビジネスを見てもらえればと思いますが、腐りやすい肉の包装にイノベーションを起こして、鮮度を長持ちさせようとする取り組みがあります。

これは、通常肉が入っているトレイごとラッピングされていますが、肉の塊に沿うようにピッタリと張り付いたラッピングです。そうすると、牛肉の場合だと消費期限が約10日伸ばすことが出来ます。

その結果、スーパーでの食品ロスも減らせると無駄になっている食品が減るだけでなく、廃棄のかかる費用を下げるという一石二鳥の取り組みです。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00159/090200008/

後はオランダ発の次世代真空パック機も販売されているので、個人でこういった取り組みが出来る時代になっています。
https://vacuvita.jp/

今回はSDGsの目標2の達成に向けた取り組みを紹介してきました。我々一人一人に出来るのは自宅やレストランなどで無駄にしないことが第一歩だと思います。是非、色々と取り組んでいきたいですね。

 

この記事を書いた人
福田
エディター