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【イベント開催報告】SDGsオープンイノベーションハブ ~知るを行動へ

福田
2021/08/24

本日はSDGsコンサルエッグ主催のイベント「SDGsオープンイノベーションハブ ~知るを行動へ~を開催しました。今回は恩田さんが初めての総合司会で、事前準備から中心となって進めてくれました。今回は月末の忙しい平日の夜にも関わらず25名に参加して頂きました。

そして、緊張しながらもナイストークでイベントを進行していた恩田さんです。質疑応答もしっかりとこなしていて、素晴らしいです。また、質疑応答でも参加者の皆さんから積極的なコメントや質問があって、盛り上がって良いイベントでした。

今回のメインテーマはイベントタイトルにも書いてあるように、SDGsの社会課題に対してそれぞれの立場で「行動」につなげていくことです。そこで、今回は既に活動を進めているTSUKURU株式会社とCOCOCOLOR EARTHから講師を招いて、SDGs達成に向けて自分ゴト化して行動に移すためには何が必要かを考えるきっかけとする場を設定しました。

【TUKURU株式会社毛利様の講演】

毛利さんは、アメリカの大学で某大手ファッションブランドのビジネスモデルを研究している中でファッション業界の環境への影響を知り、そこからSDGsや社会課題解決に向けて興味を持ち始めたそうです。

日常に隠れた課題に敏感になり、そこから「食事の見直し」や「プラ消費の削減(エシカル消費)」、「自分自身の健康志向」という個人の活動を進めてきました。さらに、ビジネスでの貢献も次第に志すようになり、「SDGsにしか取り組まない」をコンセプトに掲げるTSUKURU株式会社に参画。当社では「SDGs事業開発」や「共育プログラム(※1)」などを展開しています。

(※1:TSUKURU独自で開発したSDGs事業を担当できる人材の育成事業。)

TSUKURU株式会社のSDGs事業開発では受託型(今回は非開示)、協創型、自社投資型の3分類に分けられます。協創型の事業開発では「SDGsを行動に」という点で「廃プラの再資源化」が紹介されました。

国内の現状として86%がリサイクルされていると言われていますが、国際標準からするとリサイクルに分類されない「サーマルリサイクル」が58%にも達しているのが現状です。また、「マテリアルリサイクル」でも過半が海外に輸出されており、それが発展途上国の負担をかけてしまっていることも現状です。

そのため、TSUKURU株式会社では廃プラの国内再資源化を進めています。実際の事例ではプラスチックの再利用先としてゴミ袋を作って、これを使ってプラスチックの回収を進めるという循環型の社会を目指しています。

また、自社投資型の事業開発ではジャパニーズウイスキーの魅力を「つくり手目線」で伝えるメディア事業を展開しています。

ウェブサイトURL:https://tista.co.jp/

「共育プログラム」は、学生から社会人まで自分の課題を事業化できる人を共に育てるプログラムです。実際の参加者は、自身の課題を圧倒的なアウトプット量を生かして成長ができる環境とフィードバックをしています。学生や社会人の復業など自分のやりたいことを実現することにつながっています。

SDGsの認知度では国内では約半数であるにも関わらず、「既に取り組んでいる」と回答したのは12.9%(※2)であり、実際の行動につなげていくことが次の課題となっています。それを解決するためのビジョン掲げたのが「一人ひとりが自分なりのSDGsを持つ」でした。

(※2 2030 SDGsで変える【SDGs認知度調査 第7回報告】https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey07/

そのビジョンをもとに生まれたのが、仲間と共に連携できる「SDGs議論メシ」というプラットフォームです。毎週のように自分に合ったSDGsを考え、議論ができるこの場を通して、違った視点を持っている仲間と交流ができます。また自分の考えの整理や自分なりの行動に移していくことにつながることが期待されています。

是非、興味を持った方は是非下記のサイトを見てください。
https://community.camp-fire.jp/projects/view/440919

【COCOCOLOR EARTH吉田様の講演】

吉田さんは学生でありながら、COCOCOLOR EARTHの代表として「社会貢献を仕事に」をコンセプトに「社会課題解決のための働く方法」を多くの学生たちに共有するためのプラットフォームを構築しています。

このような課題を解決するためにインタビューという手段を通じて、ロールモデルを示すこと、そしてそういった活動をしたいひとの不安を和らげていくことで多くの人が社会貢献を仕事にできるようサポートしています。

社会貢献を仕事にする方法として、下記に示す9つのパターンについて、これまでのインタビュー結果を元にメリットとデメリットを解説してもらいました。何が最適な方法かという点についての明確な答えはないですが、自分なりの価値観で選択することも大切なのかと思います。

①企業のCSR部門への就職
②社会的企業への就職
③政府機関への就職
④国際機関への就職
⑤事業型NPOへの就職
⑥寄付型NPOへの就職
⑦ソーシャルビジネスの起業
⑧NPO法人の起業
⑨フリーランス

「収入の安定感」や「社会問題への関与度」、「資金調達の難易度の高さ」、「活動の自由度」などそれぞれの立場に応じた優位性や課題もあり、自分なりのやりたいことを考えながら、社会貢献への関わり方を選択していくための、有益な情報を多数共有しています。

COCOCOLOR EARTHのHPには多くのコラムが掲載されており、これらを読むだけで多くの情報を入手できるのが素晴らしいことです。

【チームディスカッション】

今回は全参加者でチーム分けを行って、下記のテーマでディスカッションを行いました。15分という限られた時間だったので、十分なアイデアを出し切るのは難しいところでしたが、お互いに意見交換ができる時間は貴重な経験となりました。

①自己紹介
②最近気になるSDGsニュース
③「テーマ:SDGs目標達成のために何ができるだろう」についての考え

各チームからのコメントは下記の通り素晴らしい内容が多数出てきました。

発表①:社会問題に関わるにあたって人々の認識を変えないといけないという結論になりました。そのためには「自分ゴト化」することが大切で、取り組みに対して「格好良い」とか人間的な魅力につなげられると良いとの意見が出ています。

発表②:SDGsに関する情報を知ることが大切で、それを知った上でどうやって情報発信してみんなで共有できることが必要になってきます。最近は学生の方がSDGsを知っていて社会人が知らなくなってきており、どうやってPRしていくかを頑張っていこうという意見が出ていました。

発表③:SDGsの中でもジェンダー平等やサステナブルに興味を持っている人がいました。個人だけでは出来ることが限られていることもあり、企業との連携で社会を動かしていくことも大切という意見が出てきました。

発表④:自分ゴトとして捉えることが大切で、ディスカッションを通じて自分で何が出来るかを考えていくこと、パートナーシップも重要で個人だけでなく、皆で活動につなげていくことが大切であるという結論になりました。

発表⑤:「自分の行動を変える」、「問題を知る」、「問題を広める」の3点が大切だとの話が出ました。そこには、SNSの活用や署名活動を通じて大きな団体を動かしていく影響力を駆使していくことが行動に繋がると期待できます。

 

【登壇者によるディスカッション】

コンサルエッグの代表である加藤がモデレーターを務めてディスカッションをしました。

Q1. SDGsに取り組みたいけどなかなか行動できない人を動かすためにはどうすれば良いでしょうか?

毛利様:コミュニケーション量が大切で、会話を通して「ジブンゴト化」してくことが効果的だと個人的に感じています。それを実現できる場所になってほしいとの想いで、「SDGs議論メシ」を運営しています。

吉田様:少しでも行動に興味を持っている人は手を差し伸べたいと考えています。自分たちの団体でも社会人が所属しており、そういった人にも関われるような体制を受け入れ側が作ることが大切です。特に自分の出来る範囲を超えてやろうとすると、どこかでバーンアウトしてしまうこともあるので、それを周囲の人がうまくサポート出来ることも長続きにつながっていきます。

Q2. SDGsに関する活動では色々な分野ごとでようやく接点ができるようになってきました。そんな状況の中で、これからどういったことを目指して活動していきたいのでしょうか?

毛利様:担当事業のひとつでは先ほどご紹介したウイスキーのメディア事業をやっており、ウイスキーのつくり手の声を通じて魅力を国内外に伝え、地域を盛り上げていきたいです。

個人的な目標では、海外の色々な人との交流を深め、彼らの価値観や伝統に触れながら、日本国内と海外をつなぐ架け橋になって行きたいと考えています。

吉田様:会社を選ぶ基準を変えていければと考えており、業種ごとの選択から社会課題を軸に学生の就職活動の意識を変えていきたいと考えています。そういった活動を通じて社会貢献活動を進めていくのが当たり前の世の中にしていきたいです。

今回はあっという間のイベントでしたが、講演者からの情報のインプットや参加者同士のディスカッションでSDGsを少しでも「自分ゴト化」できたのではないでしょうか?

本日のキーワードは「自分ゴト化」、それに向けて少しずつしか変われないかも知れませんが、変えようという意思がなければいつまで経っても全く変わりません。そういった意識を持ってSDGsを「自分ゴト化」していきましょう。

SDGsコンサルエッグでは今後もイベントを開催していきますので、是非参加して頂ければと思います。

この記事を書いた人
福田
エディター