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仕事も、家庭も全部取り!宇宙ワーママ夢を叶える!

シンラボ編集部
2019/09/16

※本記事は、未来技術推進協会ホームページにて2018年9月6日に掲載されたものです。

みなさまは宇宙旅行というとどんなイメージを持たれるでしょうか?
もっと先の未来に実現するもの?漫画や映画だけの話?

実は、2018年に宇宙旅行が始まります!…驚きました?
現在、多くの企業で宇宙船のデビューが予定されており、数年前までは政府や大きな研究機関でしか触れることができなかった宇宙という未知の世界が身近なものになってきました。

その流れを受け、私達未来技術推進協会では9月9日に「宇宙旅行に何着ていく?」宇宙旅行と宇宙服トークショーを開催します。

そこで今回、本イベントに登壇いただく、家庭も仕事も夢も叶える宇宙ワーママの川上泰子様のインタビューを行いました。


宇宙旅行へ行く!と決めたきっかけは?

2019年に成層圏宇宙旅行へ行くことが予定されていますが、宇宙旅行へ行くと決めたきっかけはなんですか?

いろいろな理由があるんですが、端的に言うと思いつきですね。
旦那が病気で、会社も辞めているんですよね。子どもも2人いて、当時は幼かったので私がずっと走り回っていました。
頑張っていれば、いつか良くなると思ったんですが、旦那の病気が悪化して入院してしまったんですよね。
こんなに我慢してきたのに、なんで自分や家族の状況が良くならないのかなって思いました。でも逆に、ここまで悪い状況ならこれ以上悪くなることはないはずだと思って、自分の好きなことをやろうと決心しました。
そのときに参加した願望達成セミナーで、子供の頃にやりたいことや将来やってみたいことを考えてみたときに「宇宙に行く」というのがあって。

ちなみに、宇宙というとどんなイメージがありますか?

宇宙は遠い世界のことだと思いました。
行けたらいいけど、実際は難しいのかなというイメージがあります。

私も最初はそうでした。どうやったら行けるのかなとか、そもそも行けるのかどうかとか、資金をはどうするのかとか。
そのときセミナーの先生に、わくわくするのと同じくらいやらない言い訳が出ることがやりたいということですよと教えてもらいました。
宇宙を目指してみて、行けたら良いけれど、行けなくてもそれを目指して動いてみたら何かが変わるかもしれないと思ったのがきっかけですね。

会社、家族、宇宙へ行くための準備をどうやって両立されているのですか?

やらない言い訳がやる理由に変えられるのってすごいですね。
そういう理由で宇宙へ行こうと思ったのが素敵ですね。お子さんや旦那さんがいると伺いましたが、訓練の両立はどのようにされているんですか?

どうやっているんですかね。(笑)でも、両立しているのでできているんでしょうね。
宇宙へ行くための訓練はしていないんですが、10月に国連世界宇宙週間があるので、山崎大地さんや山崎さん経由で知り合った方と一緒に盛り上げようとしています。他にもイベントへ連れていけるときは子どもや旦那を連れて行くこともあります。
旦那は主夫をしているので、子どもの面倒を見てくれたり、家事をしてくれたりしていて、私は普通に会社に行っていますね。

チャレンジするには人の協力や資金が不可欠かと思いますが、どうされていますか?

ちなみに、今度予定している成層圏宇宙旅行ですが、費用はどれくらいかかるのでしょうか?

約1千500万円くらいですね。

1千500万円…すごい額ですね。

予約は取れていて、前金は支払っているので、フライトが決まったら6ヶ月前までに全額支払います。

それまでに資金集めしないとですね。

そうですね。ちょこちょこ色んな所から資金を集めるのも良いと思っています。そのほうが色んな人に知って貰う機会が増えるので。

去年試しにクラウドファンディングをやりました。
資金調達はもちろん、クラウドファンディングという広告を利用して私を知ってもらうことを目的としていました。

特別な訓練を受けたこともない普通の人が、宇宙に行くという夢を叶えようとしていることを知ってもらい、同じように夢を叶えようとチャレンジする人が増えたらみんなハッピーになるのではないかと思いました。
クラウドファンディングでは、まず私のことを知ってもらって、更に支援者のみなさんの想いを持って宇宙へ行ってきますというふうにして、それでお金がもらえるのであれば資金にしたいなと思ったんですよ。

お金だけではなく、想いを一緒にというのはとても素敵ですね。
行きたくてもなにか事情があって行けない人もいると思うので、そういう人の想いを乗せて飛ぶというのはかっこいいです。
資金も、小さく積み上がった結晶と思えば全然価値が違いますよね。

そうですね。
私に見返りがなくても、勇気を持ってくれる人が一人でも多く増えると良いと思います。

宇宙旅行へ行くうえで家族や会社など、周囲の反応は?

会社の方は川上さんが宇宙関係の活動をしていることをご存知なんですか?

知っている人と知らない人がいます。
直属の上司や、近くの方は知っています。

反対されなかったんですか?

上司はすんなり受け入れてくれました。
以前新聞に成層圏宇宙旅行の特集記事に掲載されたことがあって、そこでばれました。(笑)
他にもインターステラテクノロジズのロケットの1回目の打ち上げを見に行って、そのときにNHKの番組にもちょっとだけ出たことがあります。そのときの映像を知り合いが見てくれていたこともありました。
会社が受け入れてくれているのは、会社の仕事が中途半端になっていたり、おざなりになっていたりしていないのもあるかもしれません。

資金や、宇宙旅行に関して旦那さんや両親、親戚の反対はなかったんですか?

旦那は申し込みたいことを話したら許してくれました。「どうせやるって決めたらやるんでしょ」って。
金額も金額なので、怒られるかなと思ったんですが、あっけなく許してくれました。
子ども達は宇宙関係のイベントに連れて行くこともあって、宇宙旅行には行けるものだと思っていますね。
資金や移動など、具体的なことは言わないけれど、大人の事情があるんだよって言いました。(笑)

両親には怒られると思って、最初は言えませんでした。
宇宙旅行へ行くと決めたのは4年くらい前なんですが、伝えたのは1年前です。
それも、先程言ったように新聞に載ったからで、後から見つかると怒られると思って早く言わなきゃと思って伝えました。
実際には全く怒られませんでした。
成層圏宇宙旅行はこういうフライトで、詳しくは記事を読んでもらえればわかると伝えたら、「あぁ、そうなの。じゃぁ、友達に自慢するから切るね」と言ってプチンと切られましたね。(笑)
その後も、親戚で集まる時に、父親が新聞のコピーを持ってきていて親戚に自慢して回っていました。
3年位悩んだんですが、取り越し苦労でしたね(笑)

意外とすんなり許してもらえたんですね。

このことは私の中ですごく軽くなりました。伝えるのは行くと決めるよりも勇気がいることだったので。
勝手に怒られると思い込んでいたんですよね。
ただ、それもやらない言い訳になると思ったのと、怒られても殺されるわけじゃないので、だったらもう言ったほうが早いと思いました。

宇宙旅行へ行くうえで、不安は?

逆にご自身が宇宙旅行へ行くことに関して怖いと思ったことはないのでしょうか?昔スペースシャトルの爆発事故がニュースで取り上げられることがあったと思うんですが。

考えたこともないですね。
そこは私が考えてもなにかできるところでもないと思います。
安全性は考えて設計されているはずですし、成層圏宇宙旅行は気球で上がって降りるだけなので、事故があったロケットとはそもそも設計が異なっていますし。

この成層圏宇宙旅行はアメリカのスペースポートから飛ぶと聞きましたが、言葉の壁などで不安に思ったりはしませんか?

これは日本人フライトなんですよ。
パイロット以外、乗る人は全員日本人です。
山崎大地さんなど、面識のある方もいらっしゃるので、そこの不安も特にありません。

宇宙旅行へ行くという夢がかなった後の展望はありますか?

自分の体験を話して、みんなも夢を叶えてねと伝えるのは絶対やりたいと思っています。
ただ、自分の夢だと思っていたものが叶った後に何をするんだろうというのが自分でもまだわからないです。
宇宙旅行へ行きたいという人を集めて一緒に行っているかもしれないし。

いつかは家族で一緒に宇宙旅行へ行ってみたいですね。
子どもたちが大きくなっちゃって、「いいよ、お母さんとは行きたくない」なんて言われるかもしれませんが(笑)

宇宙が社会課題にどう貢献する?

話は変わりまして、私達未来技術推進協会では20~30代の若手の技術者が中心となって、技術で社会課題を解決するというビジョンで活動をしているのですが、宇宙が社会貢献にどんな影響をもたらすと思いますか?

あまり難しいことを考えたことはないですが、宇宙に行けるということ自体が常識というか、壁を破ることですよね。
そうなると、今まで思っていたものが全く違うように見えてきたりすると思います。
以前、無重力フライトを体験したときに、足元だけじゃなくて、全身に重力がかかっていたことに気づいた経験があって、そのあたりの発見というか、新しい視点に気づいたことがあります。
そういう今までにない見方で物事を考えることが、宇宙だけじゃなくて、他の問題を考えるときに大事な視点になると思います。

20~30代の若手技術者に対して期待することは?

20〜30代の若手の技術者や、これからの未来を担う子どもたちに対して期待することを教えてください。

やりたいと思う事をやって欲しいですね。枠にとらわれないでどんどんやってほしいと思っています。
日本でももっと宇宙は盛り上がって欲しいです。
宇宙旅行という旅行の形ができたら海外旅行も何かしら変わってくると思うので。

インタビューを終えて

インタビューの前後も気さくにお話しいただき、宇宙旅行について楽しそうに語る姿がとても印象的でした。
家庭や仕事を大切にしながら、宇宙旅行へ行くという夢を実現するために進んでいく姿はまさに尊敬の一言に尽きます。

2019年の宇宙旅行の実現を始め、宇宙ビジネスの大きな発展が予想されています。
政府や大きな研究機関でしか宇宙という未知の領域に関わることができなかった時代から大きく変化してきていることを感じるようになるでしょう。
川上様のお話にもあったように、宇宙旅行が身近になると、海外旅行のあり方も変わるかもしれません。

私達未来技術推進協会では宇宙分野のように、今後、指数関数的な発展が見込まれる技術(エクスポネンシャルテクノロジー)を用いて社会課題の解決に貢献しようと20代~30代の若手技術者を中心に活動しています。
アイデアソンやハッカソン、アプリ開発、著名な方を招いての講演会など、多くの方との交流を通じ、邁進して参ります。

川上泰子様のブログです。是非チェックしてみてください!

この記事を書いた人
シンラボ編集部
エディター