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【イベント開催報告】化学産業系ベンチャーあるいはものづくり系ベンチャーを成功させるには 【東工大和田様】

福田
2021/01/11

みなさん、こんにちは
シンラボ広報の福田です。

12/16に東工大の特任教授である和田雄二様に講演をしてもらいました。
今回の記事はその開催レポートです。

 

第一部 大学の研究成果を社会実装するのはなぜ難しい?

和田様のキャリアは、海外→東工大→大阪大→岡山大→東工大と渡り歩いてきました。そういったキャリアの中で研究成果を世の中に出していきたいという感覚を持っているそうです。

1960~1970年代では大学で民間企業との共同研究はあり得えない時代でした。ただ、時代の変遷に伴って大学と民間企業の連携が徐々に広まってきました。そういった中で大阪大と東工大でそれぞれ共同研究講座を主催していました。基盤となる基礎研究成果が評価されていることもありますが、それを社会実装するという意識の表れなのだと思います。

技術の内容はマイクロ波を用いたナノ粒子合成技術で、ナノ粒子が好きな私には興味深い内容でした。ただ、一般の人にはあまり細かいところは理解できないのは仕方がないですね。そういったマニアックな技術を一般の人に分かりやすく伝えるトーク力はさすがでした。

ただ、大企業との連携ではどうしても動きが悪いし、事業化に向かう動きが遅いし、最初から大きな市場がなければ撤退してしまうこともしばしばです。もちろん、経済の論理ではそれが当たり前なのですが、それがベンチャーならばそこまで大きな売り上げがなくても運営できます。

最初から大きな市場がある訳はないので、新しい市場を創出するためにはベンチャーを活用するのは有効な手段です。その上で大企業は過去の知見を活かして、より大きな市場を創り出していくような役割分担なのでしょう。いずれにしても、企業と大学の連携して素晴らしい技術を世の中に普及させていくことが大切ですね。

第二部 対談(和田様と私の意見交換)

和田様と私が産学連携やベンチャー設立、コミュニティ活動などについて意見交換をしました。当初30分の予定でスケジュールを組んでいましたが、それでは十分話しきれないくらいの盛り上がりを見せました。本当はもう少し長い時間議論ができれば良いですが、濃密な時間を過ごせました。

一方的な講演だけでなくて、対談形式の方がお互いの想いを共有できますし、聴講している側も興味深い内容になります。

シンラボでは定期的にイベントを開催していきます。引き続き宜しくお願いします。

この記事を書いた人
福田
エディター