未来を創る、テックコミュニティー

【講演会開催報告】ポストコロナにおけるマーケティング戦略

福田
2020/06/18

みなさん、こんにちは
シンラボ広報チームの福田です。

本日はシンラボ主催のオンライン講演会「ポストコロナにおけるマーケティング戦略」を行いました。

緊急事態宣言も解除され、徐々に日常の生活に戻っていく中でも多くの方に聴講いただきました。聴講頂きました皆様、ありがとうございました。

今回の講演会は、マーケティング分野で最前線で活躍している下記3名の講演者を招きして、コロナと共存していく今後のマーケティングについて熱く語って頂きました。

【講演者】
①生井 秀一氏:大手トイレタリーメーカーに勤務し、全社的なDXを推進するPJT型組織に所属。担当分野は事業・販売分野で、EC事業戦略を主に担当。

②西山 和孝氏:大手ポータルサイト、大手SNSで企業のマーケティング活動を支援。プラットフォーマーの持つデータを活用し消費者インサイトを利活用することを得意とする。

③熊田 良平氏(モデレーター):大手広告代理店でAccount planner、経営戦略を経験。現在、アプリ会社でMarketing Plannerとして企画立案、プロモーション支援を中心にMarketing活動全般の業務を担当。

はじめに、2019年に発足した「Link Innovation Design」が紹介されました。ここでは、会社や組織を超えた各種Projectの活動が行われているそうです。是非、興味がある人は参画くださいとの案内がありました。私も後でチェックしてみます!
Q1:「これまで」と「これから」顧客行動の変化はあるのか?

次に、これまでのマーケティングをセグメント(「販売手法」、「メディア」、「ターゲット」)に分けて整理されました。事現在の販売形態は「CtoC」、メディアは「SNSやアプリ」、ターゲットは「嗜好や興味」が中心になっています。

こちらが本題で「これまで」と「これから」の顧客行動が大きく変わるかについて討論が行われました。

今回のコロナの影響で、毎朝同じ時間にみんなが会社に行くことが当たり前という価値観が根本から覆されました。そのような状況下で、主体が「組織」から「個人」へ移行してきており、個人として会社にどうやって貢献するのかを考える人が増えてきました。

(生井氏)コロナの影響でECを用いた買い物の割合が伸びてきており、全体では15%のEC化率となっています。また、カテゴリーによっては既に40%を超えているそうです。

そのため、今までの発想と全く逆のことを考えないと新しいビジネスにつながらないと考えられます。

また、外出が制限されている状況が続いているので、リアルでないとできない価値をどのようにとらえるかも重要な視点になってきます。

(西山氏)多くの人が身近に感じているようにデジタルマーケティングが急速に進んでいます。

例えば、Twitterを使って消費者の意識がどうやって変化してきたかを調べてきた結果、コロナ禍ではデジタルメディアの利用時間も増加してきています。当初はコロナの感染者数を気にする人がニュースを見てきましたが、それに飽きてきたころにSNSに時間を費やすことが多くなってきたと分析できます。

また、外出する機会が減っているが、その時にどういった人に会うのかを大事にするカルチャーになってきました。
Q2:これからのマーケティングにIT技術をどのように取り組んで考えるか?

(西山氏)デジタルなプラットフォーマーを使えば消費者の本当のニーズと捉えられるとは期待できます。

20年くらい前はユーザーアンケートを取って顧客ニーズを調べたりしていましたが、今はTwitterなどで消費者の困りごとを比較的簡単に理解できるようになってきました。

例えば、Twitterの投票機能ではアンケートを取ることも簡単になり、会話カードを使うと直接顧客の声を聞くことができるようになっています。

(生井氏)大企業のマーケティング戦略で長く用いられてきたCMは、大きなマスに対して宣伝するので比較的楽な手法でした。

ただ、実際はCMを見てどういった人が購入していったかをちゃんと把握していないそうです。全体の何%の人が使ってくれたかを評価しているだけだと思います。

今後は、もう少し「個」に特化したマーケティングをしないと生きていけない環境になってきました。また、ボイスコマースが注目されており、自宅に居ながら話しかけるだけで注文ができるようになっています。

さらに、クイックにQDCAを回さないとダメになりました。基本的に毎日データを見て、世の中の変動をちゃんとチェックしないダメです。

マーケティングをした時の結果も即時に検証して、次のアクションを決める必要があります。そういったサイクルを如何に早く回せるかがカギになってきます。
Q3:IT技術によってマーケティングや事業はどう変わるか?

(生井氏)昔は「商品」を作るために、お店をやるために建物を作るところから始める必要がありましたが、今は「商品」を売ることが個人レベルで簡単にできるようになってきました。

これは、良い意味でチャンスなことです。こういった個人レベルのビジネスには、デジタルマーケティングを活用すると自分でやったことが目標の数字との差異を確認しやすくなります。

また、コロナの影響でさらに加速していると感じています。今ではマーケティングの成果をリアルタイムで実感できるので非常にワクワクします。

(西山氏)年々、マーケッティングでデジタルを活用している会社は増えています。今年はTV広告の予算をデジタル予算が超えるというエポックメイキングな年になると言われています。

このような状況なので、デジタルなマーケティングをやらないという選択肢はないですね。私はTVもデジタルも両方のCMを見ていますが、この事実は全く知りませんでした。


Q4:コロナ時代の新しい取り組みはあるか?

(西山氏)コロナ時代の新しい取り組みはあるのかという点では、生活者の刻々と変化する気持ちをタイミング良く理解する必要がでてきます。

そのため、短い時間でユーザ調査から広告掲載までをやる必要がでてきます。具体的には、今までの1年位から1~2か月で回すような仕組みが必要になってきます。

(生井氏)反応がすぐ見えるのが良くて、自社製品(ビオレのおうちdeエステ)がTwitterでバズったときがあって、こういった表現はCMで使えないので勉強になったそうです。

確かにTwitterの表現は独特のものが多いので、なかなか万人受けを狙うCMでは難しいですね。
Q5:今のマーケで大事にしていること、意識していることはございますか?

(生井氏)これまでのマーケティングでは、特定の個人がどれだけ長い期間使い続けてくれるかをちゃんとみたことがなく、一人の顧客がずっと追い続けることをやっていきたいです。

その人を考えて、「なぜ買ってくれないのか?」などをしっかりと考えてファン作りをやっていきたいと考えています。

(西山氏)ユーザのニーズの変化をいち早くとらえてフィードバックする時間軸が大事になってくると思います。

そのようなタイムリーな対応で、他社に先駆けて製品を出していけるような仕組みを作っていきたい。

シンラボではこれから色々なイベントを開催していく予定です。イベントの詳細はこちら。
https://techplay.jp/community/futuretech-assotiation/event

この記事を書いた人
福田
エディター