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松尾芭蕉

松尾芭蕉の作品を、AIで英訳してみた

近年、急速な勢いで成長しつつあるAI。
中でも、無料でいろいろな翻訳できるツール「DeepL翻訳」は、世界一高精度の翻訳ツールと言われています。

実際、いろんな外国語の文章を読み込ませても自然な日本語にしてくれているので、日本語もおそらくは自然な外国語で翻訳されていることでしょう。日常で使用する文章は、自然な文章に変えてくれるレベルにあるようです。では、昔の文章、それも俳句のような奥深いものは、このAIはどう翻訳するでしょうか。

松尾芭蕉の俳句を英訳してみたら

松尾芭蕉は、17世紀後半に活躍した、江戸時代前期の俳諧師です。
日本最高の俳諧師と言われ、今でも有名な俳句をいくつも残しています。
そんな松尾芭蕉の作品の奥ゆかしい世界を、AIなら英訳で表現できるのか、検証してみました。

古池や 蛙飛び込む 水の音


普段なら耳を済ませないと聞こえない、カエルが飛び込む音が、「静寂」を引き立てるために登場しています。英訳では、古池”old pond”、蛙飛び込む”frog jumping in”、水の音”the sound of water”がカンマでつなげられていますね。おお、なかなかいい感じで表現されています。文章にせず文節をカンマで繋ぐことで、松尾芭蕉の世界観が表現されていますね。AI恐るべし。

閑さや 岩にしみ入る 蝉の声


蝉の声は物理的にはうるさいはずなのに、聞いて心が静まる様を描いた作品です。岩にしみ入るが”penetrating the rocks”として、直訳すると岩を貫通するですが、岩でも声が通ることを表現しているのでしょうか。
蝉の声”the sound of cicadas”はそのままですが、残念ながら「閑さや」が消えてしまっています。いくら最先端のAIでも、心の中の静かさは、まだ計算できていないようですね。

夏草や 兵どもが 夢の跡


松尾芭蕉が平泉に訪れたとき、500年前に兄・源頼朝に追われた源義経について詠んだ歌です。夏草”the summer grass”と兵の夢の後”the remains of a solier’s dream”がカンマでつながっていて、こちらもいい感じに表現されています。一つ惜しいのが、『兵ども』なのでsoliers’なら完璧でしたね。

五月雨を 集めてはやし 最上川


五月雨を 集めてはやし”gathering and brushing the May rain”と最上川”the Mogami River”がカンマまでつながっています。なるほど、これは確かに表現されてそうですね。はやし、というのがどの表現で最適なのかは分かりませんが…

花の雲 鐘は上野か 浅草か


花の雲”a cloud of flowers”と鐘は上野か 浅草か”the bell is Ueno or Asakusa”がカンマでつながっています。満開の桜を表現した花の雲はこれで良い気がしますが、後半はニュアンスが違うかもですね…「聞こえてくる鐘は、上野の鐘だろうか、はたまた浅草の鐘だろうか」(上野は寛永寺、浅草は浅草寺だそうです)というニュアンスなので、”Ueno or Asakusa”としてしまうのは何とも味気ない。
ちなみに「聞こえてくる鐘は、上野の鐘だろうか、はたまた浅草の鐘だろうか」でDeepL翻訳すると、”Is it the Ueno bell, or the Asakusa bell?”となるので、現代語訳でニュアンス含めた文になれば、意外といけるかもしれませんね。

番外編:松島や ああ松島や 松島や


知らなかったのですが、こちらは松尾芭蕉が詠んだ歌ではないようなのです。しかし、番外編として一緒に翻訳してみました。”Matsushima, oh Matsushima, Matsushima, oh Matsushima”が欧米の方に伝わるでしょうか。要するに、伝えたいのは”oh Matsushima”です。

最後に

いかがだったでしょうか、このDeepLの翻訳精度。
現代語訳まであれば、完璧に再現できそうですね。有名な古文なら、現代語訳をストックしておけば、古文であることを認識→現代語訳を引っ張り出す→英訳となれば、ニュアンスも含めて機械翻訳できそうです。
日本の古くからの文化が、世界中に伝わる時代も近いかもしれません。

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