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若宮正子 コロナショック ICT教育 GovTech

「日本のITは、富士山ではなく八ヶ岳に!」世界最高齢プログラマー若宮正子氏講演会 開催報告

「IT機器が日陰者になっている」

「お江戸が終わっていない日本」

「これからの日本のITは、富士山ではなく八ヶ岳。いっぱい山がないと。」

このようなパワーワードも随所に用いながら、上品かつ前向きに核心を突く。それは、85歳の世界最高齢プログラマーの若宮正子氏

2020年6月24日に開催した講演会『世界最高齢現役プログラマー若宮正子氏に学ぶ 〜コロナショックをどう乗り越えるか?〜』に、若宮氏に登壇いただきました。
新型コロナウイルスが「アナログ国家」の問題点を露呈させたと言い、その処方箋として、行政と国民のデジタル化に関する提言などは、日本の現状や、昨年8月に訪問・調査したIT先進国エストニアの内容を踏まえたもので、実現性が高く実感を伴うもの
今までのイメージである「シニアプログラマーの星」にとどまらず、行政や教育のデジタル化に関する「オピニオンリーダー」としての若宮氏を感じました。

以下5点につき抜粋してレポートします。

① ICT 教育への活用の遅れ
GovTechも、世界の下から2番目 「お江戸が終わっていない」
接触確認アプリ「COCOA」の成功で、行政と国民のデジタル化のはずみに
コロナ禍の若宮氏の活動が精力的
シニアへの「デジタル活用支援員」の推進を

① ICT 教育への活用の遅れ

国際的な生徒の学習到達度調査である、OECD PISA 2018調査内の子どものICT活用に関する調査で、日本は31ヵ国中、
・デジタル機器の国語の授業での利用率が最下位(利用しない83.0%)
・コンピュータを使って宿題をする頻度が最下位(まったくか、ほとんどない78.8%)
それに対し、
・1人用ゲームでほぼ毎日遊ぶは1位(47.7%)
であり、日本ではIT機器はゲーム用だとみなして「IT機器が日陰者になっている」のではないかと若宮氏は言います。
また、パネリストのIvy氏も、2020年4月から始まる予定だった小学校のプログラミング教育必修化も、コロナでそれどころではなくなり、元々学校によって大分違うのが現状と、残念な現実が。
※参考資料:OECD生徒の学習到達度調査(PISA2018) 生徒の学校・学校外における ICT 利用
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf  9-10ページ
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/06_supple.pdf

② GovTechも、世界の下から2番目 「お江戸が終わっていない」

さらに衝撃のデータが。国の行政手続きのオンライン利用率(2016年)の世界比較で、日本は下から2番目。参加者一同からどよめきの声が。
GovTech(ガブテック)とは、政府(Government)と技術(Technology)を組み合わせた言葉で、行政が積極的に新しいテクノロジーを活用し、公的サービスをより良いものにすることですが、世界と比較すると日本のICT活用の遅れがよく分かります。

govtech online
平成30年4月27日 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室
「IT新戦略の策定に向けた基本データ集<デジタル化の現状と課題>」39ページより 上グラフ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon/dai13/siryou4.pdf

③ 接触確認アプリ「COCOA」の成功で、行政と国民のデジタル化のはずみに

行政と国民のデジタル化と言えば、マイナンバーカード。最近のニュースで、運転免許証や国家資格証などとの一体化を検討中とありましたが、現時点で普及はまだまだ(16%,2020年4月時点)。
そしてコロナ禍に誕生したのが、厚生労働省主導の新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA。今、人々が欲しいもの!これが国民と行政の成功体験とし、デジタル化に弾みをつけたい、と若宮さん。現在試行版で、不具合もあるそうですが、「フィードバックループを回そう」と、パネリストのエストニアGovTech起業家のKota Alex Saito氏

Kota氏からは「パスポートは、行きたい国ができると取る。何のために?が明確になればみんな使うので、何のために?を明確にしよう。」という格言も。参加者の共感大でした。
新型コロナウイルス 接触確認アプリ COCOACOCOA

※新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の画面

④ コロナ禍の若宮氏の活動が精力的

参加者の質問で「若宮さんはコロナ禍に何をされていましたか?」。気になりますね。回答はこちらの4つ。
・Youtubeチャンネル開設!「マーチャン放送局」 「マーチャン放送局へ」

youtube toppage

(スイッチャーを購入しワンオペで配信可能とのこと。若宮氏のITエバンジェリストとしての活動が色々見られるチャンネルです。)
・オンラインイベント開催
・プログラミング言語「Python」の学習開始
iOS/MacOS向けの新しいUI構築フレームワーク「SwiftUI」で遊ぶ
と、非常に積極的な日々を過ごしていたそうです。すごいです。

参加者からのもう一つ質問「そのバイテリティの源は何ですか?」「自分がやりたいと思ったことはやる。子供のころから、やると言ったら誰も止められなかった。」とのこと。パワフル!

⑤ シニアへの「デジタル活用支援員」の推進を

シニア IT 支援員

※総務省HP(https://www.soumu.go.jp/main_content/000662019.pdf)より
今回の若宮氏が強く提言していたのが「デジタル活用支援員」の推進。これは、高齢者等がICT機器・サービスの利用方法に関し、身近な場所で身近な人に気軽に相談できる人のこと。身近にかかりつけ医の様なお助けマンが居てくれると、シニアがスマホの使い方やwi-fiの接続方法などに困った時、すぐに解決してくれて安心で、色々挑戦してみたくなりますよね。参加者からも、遠隔で操作説明するのは難しいとの声もあり、身近にいることが大事。実は我が家も、近所の飲食店のマスターに、iPadの活用方法、QRコード決済に関する質問に答える「勝手に支援員」をやっています。
総務省は本年度地域実証実験を予定しているとのこと。これからが楽しみですね。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000266.html

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行政と国民のデジタル化とICT教育に関心が高い若宮氏と、若宮氏が昨年エストニアでの調査時に出会ったGovTech起業家のKota氏、ICT女子教育先駆者のIvy氏、そんな皆さんが大好きなTECH女子 田中の4人での座談会は、温かい雰囲気の中、参加者の素敵な質問もいただき話が盛り上がり、あっという間に終了の時間に。

講演会参加後の、明日からできるアクションアイテムとしては、

・YouTubeでマーチャン放送局を見る
・書籍「ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来」を読む(Ivy氏も読書中とのこと)
・親御さんに、スマホの使い方を教えてあげる(みんながデジタル活用支援員!)
COCOAアプリをインストールして使ってみる

だと皆で共有し、講演会は幕を閉じました。

members

今回の登壇者の方々と、今後もイベントが開催できれば嬉しく思います。

今後のTECH女子の活動については、以下TECH女子公式LINEからも発信していきます!ご期待ください。
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