未来を創る、テックコミュニティー

迷いが晴れて

シンラボ編集部
2020/10/28

前回[青春の迷い]として書いたものは、単発の記事のつもりだったのですが、期せずして、続きが読みたいとのお声を頂きました。ありがとうございます。

青春の迷い 坂口 進

少し話は戻って高校の時、世の中にプロモーションビデオというのが流行り出しました。その頃、バンドを組んでいたので、自分達でも真似してみようと、8㎜カメラ(ビデオではありません。昔の映画の幅が狭いヤツです!)で作ってみたんです。その時に、フィルムをリズムに合うようつないで編集していく楽しさに触れ、大学に行ったら絶対英画研究会に入ると、決めていました。

それで、1年生の頃は映画一色で、夢中でアマチュア映画に関わっていました(主人公を演じたこともあります(笑))。そんな時期を過ぎ、前回書いた2年生の中だるみを挟みます。そして、その秋には部長になり、今度は、映画作りよりもサークル運営に悩み、忙殺されるようになっていきました。

一方、学部の方では、アメリカの大学から、ロボット制御が専門の先生(日本人です)が、赴任して来ました。理論と初歩的な実験ばかりで、機械工学科の内容に面白味を感じなくなっていた頃だったので、内容に関係なく飛び付き、研究室に入りました。

すると、その先生が、「アメリカはいいぞ」と、皆にアメリカ留学を焚き付けてきます。親睦会の席では、一人ずつ「留学してみる気ある?」と答えさせて来るのです。私の番が回って来たので、私は「アメリカで学びたいことが出て来たら、その時に考えればいいと思います。」と答えました。

先生は、からかうように拍手して、「優等生な答えだね。」「そんなこと考えないで、まず行ってみるんだよ。」と返してくるんです。これには、打ちのめされてしまいました。そして、そこからアメリカの大学について調べ始めます。

研究室には、インターネットは引かれていましたが、まだ黎明期で、調べものに使える状態ではありません。なので、海外の大学の情報は、専門図書館を探して、実際出向いて...な状態でした。

工学系の学部も検討しましたが、アメリカの大学は勉強が大変だと知ったので、だったら好きなものでないと続かないかと考え、思い切って映画の勉強をすることにしました(流石にこれには、先生ものけ反っていましたが)。

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シンラボ編集部
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