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自分の好きなVTuberを作ろう!VTuber向け制作環境を一挙紹介!

※本記事は、未来技術推進協会ホームページにて2019年5月28日に掲載されたものです。

みなさんこんにちは。
中村忍です。

突然ですが、みなさんは「VTuber」とはどういうものかご存知でしょうか?
VTuberとは、「Virtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)」のことで、「外見がコンピューターグラフィックス(CG)やイラストのキャラクター」であるユーチューバーを指す用語です。筆者も存在を知ったのはここ最近のことですが、VTuberという言葉自体新しく、2016年12月にActiv8株式会社によって活動を開始した「キズナアイ」というバーチャルアイドルが初出とのことです。


キズナアイ(出展A.I.Channel):

著名なYouTuberはHIKAKINさんを代表にリアルに顔を出しますが、VTuberは動画のように3DCGで出来たバーチャルなキャラクターが、ゲームのプレイ動画の実況や生放送などを行います。
バーチャルYouTuberが流行り出したきっかけは、動画がニコニコ動画に転載され、ランキング入りしたことからだそうです。
余談ですが、ソニー生命保険の調査によると、YouTuberは2017年の男子中学生のなりたい職業ランキングの3位に台頭しています(1位はITエンジニア、2位はゲームクリエイーター)。

そもそもVTuberの認知度ってどのぐらい?

VRの研究を専門に行っている株式会社Moguraが、2018年のゲーム開発者会議「GDC」の報告会(関連記事)で話した内容によりますと、FacebookをはじめとするVR開発大手の企業でもVTuberの存在はほとんど知られておらず、日本の一部の層や、彼らに影響を受けた海外の一部が中心となって盛り上がっているようです。

ですが、2018年7月の段階でのVTuberの総数は5000人、動画再生回数は7億回を越えるほどにもなり、そこに目を付けた株式会社GREEが、2018年4月5日にVTuber事業に100億円規模の投資を行うことを発表するまでに至りました。

さらに、キティちゃんでお馴染みのサンリオ株式会社と、日用品でお馴染みの花王株式会社も日本国内でVTuberを活用したPRを行ったり、VTuber専用の事務所を構える企業が出るなど、VTuberは盛り上がりを見せていきそうです。

個人でVTuberを作ろう

3DCGで出来たキャラクターの配信動画は企業を中心に作られ、日本を中心に海外でも流行り始めています。
そこで興味を持って個人でもVTuberを作ろうと思った方もいるのではないでしょうか?
実は、個人でもVTuberを作る方法があるのです。

世の中にはいくつものVTuber制作環境が出されています。今回はその中から、大手イラストコミュニケーションサービスで筆者も親しみのある「ピクシブ(Pixiv)株式会社」のVTuberのCG制作ツールを中心に、いくつかの制作ツールを組み合わせながらVTuberの作り方について紹介します。

ピクシブ株式会社とは?

最初に、ピクシブ株式会社(以下、ピクシブと略)について簡単に紹介します。

ピクシブは、「クリエイターに創作活動やファンとのコミュニケーションを楽しんでもらいたい」、「世の中のクリエイターの創作活動を支え、創作文化を刺激していきたい」という想いの元、2005年に東京の千駄ヶ谷に誕生しました。

イラストなどの創作活動をされている方々はご存知かと思いますが、「pixiv」というSNSサイトを立ち上げ、そこではクリエイターが投稿したイラスト、漫画、小説などの作品を通じてユーザーとコミュニケーションをする場を提供しています。

近年では、VTuberを支援する制作環境の提供も行っています。

では、VTuber制作環境について紹介していきたいと思います。

無料の3Dキャラクター作成ツール「VRoid Studio(ブイロイド・スタジオ)」

まずはじめに、VTuberを制作したいと思ったら、3Dキャラクターのモデルが必要になります。しかし、3Dモデルの制作には、造形等の専門知識や使用する制作ソフトの使い方を熟知している必要があります。

中でも、プロフェッショナルなデザイナーは「Maya」、「XSI」、「3DStudioMax」といった高度なツールを使う方が多いですが、値段も毎月数万円と一般ユーザーには費用面で敷居が高いのが難点です。

昨今、「VR上で他者とコミュニケーションしたい」「バーチャルYouTuberとして活動したい」など、3Dモデルへの需要は増加しています。

そんな人たちのために敷居を低くしたのが、ピクシブの「VRoid Studio」です。こちらは、2018年8月3日に一般向けに公開し、しかも無料で提供を開始しました。

ベータ版での提供ですが、WindowsとMacの両方に対応しています。

VRoid Studio – the first 3D character design software for illustrators(出展:ピクシブ)

VRoid Studioは、簡単な操作で3Dキャラクターをモデリングできるソフトになっています。特に、キャラクターの顔のパーツ作りや髪の配置などを簡単に行うことができます。

VRoid Studioで作成した3Dモデルは、他の3D制作アプリケーションで利用可能なファイル形式に変換可能です。また、ドワンゴ株式会社が2018年4月に出した3Dアバター向け汎用規格「VRM(Virtual Railroad Models)」にも対応しています。

VRMは、VTuber配信やVR向けのフォーマットであり、3Dデータ作成でよく使用されているAutodeskの「fbx」よりも扱いやすさにメリットがあります。

技術的には、グラフィックス言語APIである「OpenGL」を策定するKhronosグループによる汎用3Dフォーマット「glTF2.0」を拡張し、VR用の独自仕様を入れたり、扱いやすさを重視しているそうです。(VRMについての詳細はこちら)。

VTuberのキャラクターには、何と言っても動き(モーション)があることが欠かせません。VRoid Studioでは、ある程度動きを設定することができます。VRM形式で出力(エクスポート)すれば、体の各パーツに自動でボーン(ポリゴンデータの中に埋め込む骨格のようなもの)が設定されます。特に、ベータ版では髪の毛に対するボーンが自動で設定できるため、お手軽に髪の毛を揺らすことができます。

VRoid Studioによるアニメーション付け(出展:ニコニコニュース)

VRoid Studioは以下の公式Webサイトからダウンロードが可能です。
公式サイト:https://vroid.pixiv.net/

作成した3Dキャラクターを動かそう

作成したキャラクターにVRoid Studioだけでは複雑な動きをつけることは困難です。

そこで、ピクシブが出しているものとは別のソフトウェアを使い、VRoid StudioからVRM形式で出力した3Dキャラクターに動きをつけていきます。

動きづけの代表的なソフトに、「3tene(ミテネ)」、「FaceVTuber」などがあります。これらはトラッキングに対応しており、Webカメラなどでキャプチャーした人間の身体の動きやマイクからの音声と、VRM形式のモデルとを対応づけることができます。

3teneでは、音声データから拾った母音(a,i,u,e,o)をモデルデータの口の動きに反映させることができます。これだけ出来てなんとソフト自体は無料です。

動きをつけたら、3teneで録画すれば配信可能な形となります。

VR上でライブ配信したい場合は、ドワンゴ株式会社が運営するニコニコ動画の内部コンテンツ「バーチャルキャスト」があります。バーチャルキャストではVRMモデルを使って生放送や録画ができます。

配信するには、VR機器とSteamVRが必要となります。VR機器は、HTC VIVE、Oculus Rift + Oculus Touch、Windows Mixed Realityに対応しています。

SteamVRでVR機器のセットアップをし、OBSなどのライブ配信ソフトとバーチャルキャストを関連付けすることにより、ニコニコ動画やYouTubeなどで実際に配信することができます。

VR上では、配信者とライブ上に遊びに来ているユーザーと文字やアバターによるコミュニケーションができます。
バーチャルキャスト:https://virtualcast.jp/about/

配信には、3tene、バーチャルキャスト共に高性能なパソコンが必要となります。3teneでVRMファイルを動かして録画することを想定した場合のスペックとしては、

  • CPU:Core i7(第8世代)
  • メモリ:16GB
  • ビデオカード:NVIDIA GeForce GTX1060以上

と、相場で15万円程度の高性能が求められます。スペックを下回った場合は、動きが鈍くなるなど品質に影響がでます。特にVRで配信する場合はビデオカードは高性能なものが必須となります。

配信までの流れと必要な機材

配信方法はこちら

自分で作成した3Dキャラクターを公開できるサービス「VRoid Hub」

配信ができたら、めでたくVTuberとしてデビューです。ここで、配信したコンテンツのキャラクター等を他ユーザーと共有したくなるかもしれません。そこで登場するのが、ピクシブが提供している「VRoid Hub(ブイロイド・ハブ)」です。

VRoid Hubは、自分で作成した3Dキャラクターを投稿して他ユーザーと共有することができます。投稿された3Dキャラクターは、VTuberをはじめVR/ARコンテンツやゲームで共通利用できます。
2018年12月から提供が開始されています。

共有する際には、VRoid StudioやWebブラウザ上から投稿が可能で、VRM形式のモデルデータとして投稿する形になります。公開すると、キャラクターごとに個別のプロフィールページが作成されます。

利用に関しては、pixiv IDで会員登録(無料)を行うことにより行えます。

また、VRoid Hub以外のVR/ARプラットフォーム上で3Dキャラクターを利用したい方向けに、ソフトウェア開発キット「VRoid SDK」の同時提供も予定されています。

これにより、VRoid Hub上で公開されている3Dキャラクターを、Unityなどで制作したコンテンツ内で利用できます。

しかも、3Dキャラクターはダウンロードせずに扱えるため、アバター管理システムの構築が不要になるというメリットがあります。

図:VRoid Hubの特徴(出展:Mogura VR)

ショップ作成サービス「BOOTH」

お気に入りのVTuberアイドルを作成するだけに留まらず、書籍・同人誌・グッズなどの2次創作物を販売したいという要望があるかもしれません。そんな時は、ピクシブの「BOOTH」の出番です。

BOOTHは、pixivと連携した「創作活動がより楽しくなるショップ作成サービス」です。Webサイトに関する知識がなくても、無料で簡単に自分だけのネットショップを開設できます。決済や発送といった作業が面倒というユーザーには代行サービスも提供しています。

さらに、pixivと連携することにより、pixivでBOOTHに登録した商品のプロモーションを行うことができます。
BOOTHで扱えるコンテンツは、書籍・イラスト・同人誌・グッズ・手作りのアイテムといったものから、ゲーム・音楽・写真・動画・電子書籍に至るまであります。
VTuber向けのBOOTHはこちらから

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はVTuberの制作方法について、ピクシブの制作ツールを中心に紹介しました。これら制作ツールのおかげで3Dコンテンツ制作の敷居が低くなっていることもあって、誰でもVTuberの制作に手を出すことができるようになり、VTuberの認知度もさらに上がっていくかと思います。

制作ツールは他にもたくさん出ていますので、いろいろ試して自分に合ったものを使ってみるとよいでしょう。

今回、VTuberに関する調査をしながら、筆者もVTuberとしてのデビューしたいという想いを抱きました。

参考

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