未来を創る、テックコミュニティー

企業の連携が鍵を握るESD推進

シンラボ編集部
2019/10/02

こんにちは、遠野駆です。
以前掲載した記事では、ユネスコスクールの事例を中心に子供向けのESDを紹介しました。
今回は企業に関するお話です。企業におけるESDと関連が深いグローバル・コンパクトについてご紹介し、企業のESDについて考えていきましょう。

グローバル・コンパクトとは?

国連グローバルコンパクト(以下、UNGC)は、1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で提唱され、2000年7月26日にニューヨークの国連本部で正式に発足しました。

持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みに、企業・団体が自発的に参加するもので、UNGCが定める4分野(人権、労働、環境、腐敗防止)10原則に賛同する企業トップらのコミットメントのもと、実現に向けて努力が継続されています。

2019年現在、世界約160ヶ国、各種セクターから1万を超える団体が参加し、公的報告書は6万3千超に及びます。
UNGCでは、2009 年より毎年開催されている、日中韓ローカルネットワーク(※次章参照)が連携した「日中韓ラウンドテーブル」など各地域の活動支援を行なっています。

また、サステナビリティに関する国際情報開示基準を提供するNGOの「Global Reporting Initiative (GRI)」と共同で、企業が国連の持続可能な開発目標(SDGs)に与える影響を自ら測定し、報告し易くするための「実務ガイド(A Practical Guide)」を共同で作成、公表した。
かくいう未来技術推進協会もUNGCへの加入が決まり、今後益々活動を加速していく絶好の機会と捉えています。

ローカルな繋がり

UNGCだけでなく、世界各国で持続可能な発展を目指すローカルネットワークが立ち上がり活動しています。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(以後、GCNJ)は2003年12月に日本のローカルネットワークとして発足されました。

加入企業間の知見共有など、企業・団体が積極的に活動できるよう支援を行い、分科会活動も行なっています。

ここで、GCNJで紹介されている事例からいくつか紹介します。

株式会社ユーグレナ

SDGs達成こそがミッション~ミドリムシで「人と地球を健康にする」~

「ユーグレナの力で、すべての人の栄養が偏りなく、健やかに暮らせる世界を目指す」という理念のもと活動を進められているユーグレナ社ですが、代表取締役社長の出雲氏によると、Passionを持ち続けていられるのはグラミンバンクのユヌス氏が大きいと仰っています。

ユーグレナの事業は、SDGs 1、2、7、13、それから14に関係しています。

株式会社博報堂DYホールディングス

クリエイティビティを発揮し、生活者と社会の幸せの実現に向けて新たな価値を創造

2016年にSDGsの公式日本版アイコンを国際連合広報センターに提案し、博報堂のクリエイターたちのボランティアと共同で制作されました。

博報堂では、ソーシャルアクションの活動テーマとして、社員一人ひとりが企業、団体や取引先の皆さんと共に取り組むことを方針としています。また一人の生活者としての、社員の自発的な取り組みを会社が積極的に支援するという活動もおこなっています。

今回紹介した事例以外にも、各種企業のCSRページなどにてSDGsの活動が報告されているので、自社や関係企業でどのような取り組みがなされているか気になった方は、ぜひ企業CSRページをご覧になってはいかがでしょうか。

まとめ

企業でESDを進めるにあたっては、社員や取引先、株主など様々な関係者との調整や説明責任が必要な経営トップ層の方々には、教育現場とはまた違った課題や葛藤があるかと思います。

だからこそ、よりわかりやすく共通言語を持って活動をアピールしていくために、SDGsは効果的だと思います。

「何に力を入れているのか」「どのような指標で目標設定しているか」さらには「同じ目標を持って一緒にやったら行こう」など、各企業が手を取り合っていくことがSDGs 17のパートナーシップにも繋がり、今後大きく発展していくために必要なことだと思います。

有難いことに、アドバイザーの方など経営者の方にお話を伺うこともあるのですが、先ほど挙げたCSR部門の方にしても、現在SDGsに関する見識にはバラツキがあり、レポートの作成にも苦労されている企業も多いようです。

弊協会では、SDGsを認識するところから実践にいかすための具体的な検討まで、全4ステップで学べるWorkshopを開催しております。お忙しいとは思いますが、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

今後の日程については、協会ホームページおよびFacebookでも掲載しているので、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。

参考

この記事を書いた人
シンラボ編集部
エディター