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SDGsボードゲーム制作秘話・第10弾 ボードゲームの浸透・発展の起点となったクラウドファンディング企画・目標達成秘話

すわ
2020/09/06

今回は、未来技術推進協会(以下、協会)オリジナルのSDGsボードゲーム「Sustainable World BOARDGAME」の製造・世の中への浸透の仕組みとしてクラウドファンディングを企画・推進された、村口さんへのインタビュー記事となります。
SDGsボードゲームが量産される仕組み作り、ボードゲームを通じた研修やワークショップ進展のきっかけとなったクラウドファンディングプロジェクトの背景や戦略、苦労話を交えてお伝えします!
インタビューは奥野、ライターは諏訪が担当します。

ーまず、SDGsボードゲームを広めるクラウドファンディングを実施することになったきっかけを教えて下さい。

SDGsボードゲームを広めるにあたり、作成する原価が高い(約10万円ほど)というのがあり、この値段では原価でもなかなか購入する人がいないという課題がありました。
デザイン・製作者の児玉さん(第9弾インタビューご参照)と相談するなかで、量産して生産台数を増やせば原価が下げられるのがわかってきました。そこで、50台をまとめて生産すると1台あたり1万円ほどになると試算が立ったため、その数を受注することを目指してクラウドファンディングという方法を検討し始めたというのがきっかけです。
それに加えて、純粋にクラウドファンディングというものが面白そうなのでやり遂げてみたいと思っていたのも大きい理由ですね。

ー村口さんご自身は元々クラウドファンディングへの知見はお持ちだったのですか?

以前個人的にベンチャー企業との仕事に携わったときに、資金調達・マーケティングの手法として活用(ニーズがあればお金が集まり、ニーズがなければ集まらないため必要性がわかる)していました。
それに加えて、品川区が主催する起業支援フェアに参加したときに最大手クラウドファンディングcampfireの担当者の方とつながりができたため、クラウドファンディングの仕組み自体には馴染みがあったということがあります。
それらを踏まえ、クラウドファンディングをやってみたら行けるんじゃないかと考えて、挑戦してみましたね。

ークラウドファンディングの担当者の方と話してみていかがでしたか?

担当者の方にSDGsボードゲームのアイデアを聞いた際に、良い反応をしていただけたため、いけそうかな?と想像はしていました。クラウドファンディングの仕組み的に、プロジェクト起案をして仮に失敗しても誰も損はせず、成功した場合にサービス提供側が成功報酬が得るというものが一般的です。
そのため、成功する勝算があるからこそサービス提供側もサポートや起案を支援すると考えられるので、ある程度は勝算があるかもと信じて推進した形になります。

ークラウドファンディングを開始して、目標達成率はどのくらいだったのでしょうか?

目標金額の203%達成と大きな成果になりました。起点となるのは、先着数を限定した上で採算度外視の価格でボードゲームを提供するキャンペーンと、草場代表の人脈から興味・関心がありそうな方々に呼びかけや情報発信いただいたことがあります。おそらく数百人の方にメールなどを送っていただき、それがあったからこそ先着キャンペーンが最初の盛り上がりとして良い起爆剤になったのだと思います。
その後も、プロジェクトページや全体スケジュール、イベント等でのPRなど効果を見ながら試行錯誤して進めていきました。

ー実際に運営していくなかで苦労したところはどんなところでしょうか?

全部ですね(笑)
プロジェクト1つの中には、作業として、ページのデザインや内容の構成・文章の作成、各種リターンの単価設定、キャンペーン企画、赤字にならない運営の財務的な計画など様々なものがあります。
それに加えて、集まったお金の使い方検討、全体スケジュールを一から考えて引くこと、リターンにボードゲームを使った研修参加権を設定するなら場所や原価を踏まえた粗利はどうするかなど本当に多岐に渡りますし、検討したことがないことばかりでした。
イベント運営やボードゲーム作成の経験者に様々な知見を伺ったり、協会やシンギュラリティ・ラボ(以下、シンラボ)でつながれる方にもご協力を仰ぎました。

また、特にホームページ作成にはかなり手間をかけました。プロジェクト公開の締め切りまで時間(本格的にやれたのは2週間弱)がなく、一度オープンしたあとは編集もしづらいという制約もある中でどれだけ作り込めるかこだわりましたね。
デザインや視覚表現のセオリーを自分で学習し、パワポのスライド作成、なるべく読みやすく伝わりやすい文章にするための修正を重ねました。また、協賛に有名な機関に入っていただく方がブランディングできるため、その許可や確認・調整を代表の草場さんに力をお借りしながら時間をかけて行ったことがポイントになったと考えています。

それ以外にも、ゲームで使用するカードなどが発注〜到着まで思ったより時間がかかったり、お渡しする場合の送料や経費、研修をリターンにしたことで準備や運営・人員調整など付随する様々な要素まで検討し、一つずつ具現化するところが大変でしたね。
発送時の重さや大きさも具体的に計算し、ダンボールの中でパカパカ揺れないように緩衝パッキンを選定し、一番安いAmazonのものを使うとしたら、少ない量で一番密になる入れ方をパワポで断面図を書いて計算したりとかなり地味なことまでやりました。

ーインタビュー前に想像していたよりもかなり大変なことがわかりました!そんな中でモチベーションを上げ続けられた要因は何でしょうか?

やるからには必ず成功させたいという想い、そしてお金をいただく以上は品質を担保してメリットが一つでも多くなるように価値付けして提供したいという自分のポリシーをもって取り組みました。
数万円という決して安くはない金額ですので、支援いただく方に何か得るものや今後につながるものをお届けしたいと考え抜きましたね。単に目の前の数千円を取りに行く協会では未来はないなと感じていたので、今後の発展に期待して、有償のワークショップを開催できる権利を実質無償で提供するという案を意思決定者を粘り強く説得して実現することもできました。

ー想いを込めてやり遂げられたことが伝わってきます!改めて振り返ってみていかがでしょうか?

大変さとは裏腹に、シンラボでの活動で一番と言えるくらい一貫して楽しめましたね。元々、ふわっと漠然としたものをしっかりと形付けて実現していくことに燃えるタイプなので、自分が苦手とする分野の仕事も含めてクラウドファンディングを一から作り上げて行くことが楽しかったですし、実現できたらカッコいいよなとゴール達成を描いてやり遂げました。
今振り返っても、目標を大幅に超えられたことを含め、自分の自信につながる大きな活動でした!

やりがいがあるのは間違いないので、やりたい人はみんなチャレンジしてみたら良いんじゃないでしょうか(笑)
多岐にわたる仕事が経験できますし、成否に関わらず実質プロジェクトを起案すること自体にリスクはないので、事業を立ち上げるような経験が詰めるのはかなり大きいと思います。

ー最後に少し観点を変えて、シンラボに入ってよかったと思える点を教えていただけますか?

自分一人というよりは他の人と組んで何かを形作って行きたい人、これ!という具体的なアイデアは決まってないけど自分のスキルや強みを武器に活動・貢献したい人が多いと思いますので、そういう人が集まることで生まれる様々なアイデアを実現までできることは大きいと思います。
そういった様々な背景や専門性を持った方々に色々聞いて学べる、SEO対策やアプリ開発などの専門的な仕事も依頼できる、自分の想いに賛同する仲間を集められる、クラウドファンディングやプロジェクトでマネタイズもできる、これらが実質会費だけで活用し放題なのはかなりのメリットがあると思います。

イメージで言うと、「発展途上国を力を合わせて一緒に先進国に発展させる」ようなことができる場所だと捉えています!

ーそのワードはかなりワクワクしますし、それを聞いて実現したい人がシンラボに入ってくるのが楽しみですね。本日は貴重なお話、ありがとうございました!

次回は制作秘話の最終回、草場代表にこれまでの活動の総括やSDGsボードゲームの今後の可能性までたっぷりとお話を伺います!お楽しみに!

この記事を書いた人
すわ
エディター