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SDGsボードゲーム制作秘話・第6弾 企業・団体向け研修のビジョンと戦略

みなさん、こんにちは。
シンラボ広報部の諏訪です。

今回は、未来技術推進協会(以下、協会)オリジナルのSDGsボードゲーム「Sustainable World BOARDGAME」の創案者である、代表理事・草場さんへのインタビュー記事となります。第5弾の山田さんにインタビュー記事「地道な努力から世界に羽ばたくSDGsボードゲーム」に続いて、SDGsボードゲームを活用した企業研修、後の学校向けワークショップの開催に至ったきっかけや現状の実績、今後の展望までと語っていただいた内容をお伝えします!インタビューは田上、ライターは諏訪でお送りします!

ーボードゲームをベースとした研修や、別団体向けにワークショップを開催するに至った経緯を教えて下さい

SDGsボードゲームが誕生した背景は、阿部さんのインタビュー記事にも書かれていましたが、最初はエイヤの思いつきからで、それを実現できる能力を持った人が集まっていることが大きかったです。
協会のオリジナルボードゲームでイベントや研修など何かできないか?と考え始めたのが最初でしたが、ゲームを使ったイベントは当時(2018年頃)イマココラボさんが開催していたくらいでそこまで一般的ではありませんでした。

協会メンバーのつながりで企業向け研修の創案や設計に詳しい方がいらっしゃり、SDGsボードゲームのコンセプトを企業研修に昇華するカリキュラムを組み始めました。加えて、Facebook等のトップ企業が社内業務や評価・研修に「ゲーミフィケーション」(※1)を取り入れているという流れがあったことで、「SDGsを自分ごとに考え、事業適用につながるきっかけにする」ための研修を企画・開催することに至りました。

※1:競争などの人を楽しませる・熱中させるゲームの要素や考え方を、ゲーム以外の分野で応用していく考えから生まれた分野。ゲーム特有の発想や仕組み(目的設定、課題達成への報酬、自己統制など)を社内研修や人事評価、マーケティングに取り入れていく取り組み全般を指す。
Facebookでは社員間のコミュニケーションシステムに導入することで社内の透明化や360度評価を促進する事例があり、Walmartでは配送センターの安全訓練に導入することでインシデントを50%強減らしたという事例もある。

ー実際に開催してきた上での体感や所感はいかがでしょうか?

世の中の流れとして、まだまだ企業側がSDGsを経営戦略や新規事業に適用する段階にはなっていなく、一部の興味を持った方が学習しに来ているのが実際ですね。
企業研修を本格的に推進していくのにはまだ時期尚早かなという感じです。

協会としては、企業側がSDGsと事業を結びつけられるようにカリキュラムは用意しています。通常のワークショップでテーマとしている「SDGsを自分ごとに捉えるための学習」の次のステップとして、「ロジックモデルを活用して自社の事業内容にSDGsを結びつけ、事業モデルの考案や関連団体へのアプローチを見据える学習」があります。

ただ、今は企業向けの研修よりも学校向けの研修の方が実際の需要が多いので、主に高校向けの大規模ワークショップや修学旅行の事前・事後学習と結びつけた研修に注力している形です。

ーなぜ学校向け研修の需要が高まっているのでしょうか?

一つは、2030年に向けたSDGsの解決がまさに今学生である次世代の皆さんの課題であり、意識や熱量が高まってきているということです。また、学習指導要領の変更や大学受験形式の多様化によって、学校側がSDGs学習を学生生活に取り入れることに前向きになっていることがあります。
今案件として多いのは修学旅行と絡めたもので、以前と異なりただ旅行に行くというのではなく事前に課題を設定し、旅行先で実際に課題を調査・検討した上で、旅行後に発表するような「課題解決型旅行」をする流れになってきています。

協会の活動内容やプレスリリースなどの発信内容をみて、学校側や旅行会社から案件の問い合わせや発注が来ることが多いため、今後も学校向け研修の実施は増えていくと思います。

※学校向け研修の導入実績や現場の生の声を踏まえた現状や今後の展望は、次回第7弾の保科さんへのインタビュー記事でお伝えしますので、ご期待ください。

ー企業向け研修を導入・推進していく上ではどのような課題があると考えていますか?

一つには、企業の中でも特定の部門(CSR等)が世の中の事例を横目で見ながら検討している段階で、事業戦略の軸にする段階には遠いことがあります。どうしても費用対効果や算段がつかないと推進できない部分はあるため、アプローチするには事業戦略までつなげられるような具体的なメリットを提示していく必要性はあると思います。

もう一つは、ゲームというものへの捉え方や温度感の低さがあり、どうしても「遊び」という感覚で、それが事業に結びつくような学習になるのかという声や意見を聞きます。ここに対しては世の中の流れとして、社内業務や人事評価、戦略検討に「ゲーミフィケーション」を活用する企業が増えていたり、ゲームの持つ身体性を活かして感覚や感情・体験と結びつけて学習することで学習効率が向上するとも言われているため、ゲームを通じて学習することのメリットをきちんと伝えることでアプローチしていけると考えています。
さらに、様々なバックグラウンドを持つ方とチームを組んで共通の目標を協力して達成するというボードゲームの特性と、リーダーシップやチームビルディングなどのビジネススキル養成とは親和性が高いため、企業研修での適用・応用の幅は広いと見立てています。

ただ、やはり一定の実績は重要であるため、学校向け研修で運営方法や評価軸の知見を蓄えながら、ワークショップや体験会で企業や団体に所属する方々が触れられる機会を増やしていく想定です。

ー超えるべき壁は多いですが、推進の展望は見えて来ますね。

そう捉えています。今の時流は利益追求の経済活動だけをしていれば良いというわけではなく、気候変動やプラスチックの削減などの環境へ配慮した事業展開が必須になっています。また、そもそも企業が存在する目的は社会を良くすることであるため、世界全体で協力しながら社会課題を解決するSDGsの推進とはマッチするものです。ただ、この社会を良くするための活動と経済性の結びつきや両立がすぐには難しい場合もあるため、その橋渡しとして協会の企業研修がアプローチしていける部分があると考えています。

SDGs自体への理解もそうですが、どのように事業や経済活動につながるかを経営層の方々を含めて共有し自分ごととして捉えていただけるかを考えると、一方的な講義・レクチャーでは効果は薄いと思います。そこで抽象論ではなく実際の活動事例を題材とした協会のボードゲームを通じて、チームビルディングから目標設定、協業、達成までのプロセスで実際に手を動かすことで、自分ごとにしやすくなると考えています。

事業戦略や活動につなげるところはまだ遠いとは思いますが、高い学習効率と社内共有の促進や円滑化には結びつく手応えは感じていますので、そこから進めていきたいですね。

企業への別のアプローチとしては、シンラボが主軸にしている社会課題解決型ビジネスの推進事例を増やすことで協業や事業提携ができていくことも展望に持ち、戦略立案や推進をしていきたいと考えています。

全12回の連載予定のSDGsボードゲーム制作秘話の第7弾は、保科さんから学校向け研修・ワークショップの生の現場の声を踏まえたお話について詳しく伺っていきます。次回もお楽しみに!

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